『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ
実録コミックエッセイ『痩せるより大切なことに気づいたら、人生で一番楽に17kgのダイエットに成功しました』で我慢しないダイエットを成功させるまでを描いた漫画家、なぎまゆさん。
部屋の整理整頓ができない理由やキレイな状態を続ける方法を紹介した『「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら 二度と散らからない部屋になりました』は続編も発行されるほどの人気です。
そんななぎまゆさんが最新作『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』でテーマに選んだのは、「お金」のこと。
友人Yさんのお金の悩みを解決に導いていくのですが、そこで使ったのは「要・不要別の家計簿」と、前述のダイエットや片付けにも通じるメソッドの数々でした。
家計だけでなく人生そのものを豊かにするための考え方を描いた作品について、なぎまゆさんにお話を伺いました。まずは作品のあらすじをご紹介しましょう。
あらすじ

漫画家・なぎまゆさんは、「贅沢らしい贅沢をしていないのにお金が貯まらない」という友人Yさんを「貯められない人」から「貯められる人」へと成長させるサポートをすることになりました。
Yさんは40代。働いていて収入もあるのですが、思うように貯金ができないと悩む女性です。

お金が貯まらないことに問題意識は持っていて、仕事からクタクタになって帰る途中にも、外食をせず自炊をしようという自制心は持ち合わせている様子のYさん。
時間外手数料を支払ってATMで現金を下ろし、スーパーに向かいます。
しかし問題なのはここから!

雨の中スーパーに行くのがおっくうになったYさんは、結局スーパーには行かず、コンビニへ。 割引なしのお弁当のついでに新作のスイーツやペットボトル飲料も購入。夕食代はしめて830円と決して安くはない出費です。
忙しい日々を送るなかでも、そろそろ真剣に将来のお金をのことを考えないといけない、という危機感を募らせていたYさん。「節約のためにはまずは家計簿」と思い立ち、支出を把握することにしましたが、思ったような効果が得られません。

Yさんは家計簿をなぎまゆさんに見せ、意見を求めました。

なぎまゆさんの答えは、「この家計簿の付け方だと、節約してお金を貯めるのは難しいかもしれない」というものでした。

食費や日用品など、カテゴリーごとになるべく細かく漏らさず支出を書き込んだYさんはびっくり。「家計簿をつけさえすれば、即、お金が貯まるようになる」と信じ込んでいたのです。

衝撃を受けるYさんに対し、なぎまゆさんは「節約したい」「貯金をしたい」という目的に合った家計簿の付け方をしたほうがいいとアドバイス。
そのための策としてなぎまゆさんが提案したのは、支出をカテゴリーごとに記入するのではなく、支出を大きく「必要」と「不要」に分ける考え方の「要・不要別」の家計簿でした。
なぎまゆさんのメソッドで、Yさんは家計についての考え方を少しずつ見直していきます。
作者のなぎまゆさんインタビュー
――家計改善がテーマの本作を描こうと思ったきっかけを教えてください。
なぎまゆさん:本作に登場するYさんから家計管理の相談を受けて、私なりにできるアドバイスをさせていただいたところ家計の状態が著しく改善され、その経緯がとても興味深かったので、御本人の許可を得て本にまとめてみたいと思いました。

――「要・不要別」の家計簿をつけることを推奨されています。その方法にたどり着くまでの経緯や、具体的なエピソードがあれば教えてください。
なぎまゆさん:私は過去に何度か既存の家計簿を印刷されている項目通りに記入する「ジャンル別の家計簿」をつけていたのですが、どれだけ丁寧につけてもそこから何の情報を汲み取ればいいのか分からず挫折していました。
そのような経験が「何にいくら使ったかという情報より、最初から自分が知りたい「支出の無駄」の情報が一目でわかる「要・不要別の家計簿」を作った方がいいのでは?」という発想に繋がりました。

――今回は、貯金できないと悩んでいるご友人の家計改善を手助けされたわけですが、ご友人が貯金できるようになった一番の要因は何だと思いますか?
なぎまゆさん:1つ目は「要・不要の家計簿」をつけ続けることによって、支出に対して「自分にとってこれは必要なのか不要なのか」を逐一考える習慣がついたことだと思います。意識していないと人は「ほしいから」「何となく」という理由でお金を使ってしまいがちなので…。
2つ目はクレジットカードを封印して「いま使ったお金は今財布から出ていく」というシンプルな状態にしたことがとても大きかったと思います。クレジットカードは買う時と払う時のタイミングがずれるため家計管理が想像以上に複雑になるので、家計管理に悩んでいる人は一度やめてみるのも手だと思います。ほかにも細かい要因があると思いますが、とくに大きかったのは上記2点だと思います。

――改善後のご友人が「なぎまゆさんは命の恩人」とおっしゃっている場面が印象的でした。ご友人の結果を見て、どのような感想をお持ちになりましたか?
なぎまゆさん:自分が提案した方法に自信がなかったわけではないですが、友人の家計が改善された一番の理由は、友人が私の言うことに耳を傾けて、変わる努力をしてくれたことに尽きます。無理のない範囲からはじめるとはいえ、まったく行動も意識も変えずに家計改善はできないと思います。
彼女は今でも「要・不要の家計簿」「月別のまとめ表」「ライフプランニング表」をつけ続けていて、貯金もどんどん増えていってるそうです。過去に貯金がまったくできず、むしろ少し借金もしていた時期があったとは思えない変化です。私を「命の恩人」にしてくれたのは彼女自身だと思っています。
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家計管理を通して、お金の不安に正面から向き合い乗り越えた友人Yさんと、それをサポートしたなぎまゆさん。お金のことを考えることが、お金に振り回されない、自分らしい生き方の第一歩なのかもしれません。
いままでなんとなく家計簿をつけていたけどうまくいかない…という方は、なぎまゆさんの提案する「要・不要別」の家計簿に挑戦してみませんか?
取材・文=山上由利子