なんだかこの頃、気分が晴れない。肌荒れもしている…そんな日常的に感じるちょっとした不調は、足裏の刺激マッサージで、セルフメンテナンスするのがおすすめです。今回は、心の疲れや美容の悩みに効果が期待できるマッサージ編です。
▶教えてくれたのは
セラピスト 鈴木きよみさん
リラクセーションサロン「アンピール」代表。30年にわたり、延べ30万人の足裏に触れ、臨床から得た独自メソッド”足ウェルネス”を提唱。足裏から不調を癒すスペシャリスト。
足裏ゾーンMAPと基本のやり方
床に座り、足を反対側の太ももの上にのせるか、難しい場合は押しやすい体勢で、ゾーンが両足にある場合は左足から行なう。痛みが和らぐか、片方の足を3分までを目安に終える。
■マッサージには3つの手の形を使い分けよう
ピンポイントでしっかり刺激する人さし指の「指づの」
利き手の人さし指の第二関節を”つの”のように立てた指の形が「指づの」。複数のゾーンを細かくさすりたいときなどに。押して痛い部分を刺激する際にも活用して。
広い範囲をまんべんなくさする「招き猫の手」
親指以外の4指を軽く握った形が「招き猫の手」。4指の第一関節から第二関節の指の面を使って刺激を。複数のゾーンや足の甲など広範囲を一気に刺激するときに便利な形。
狭い部分を刺激する「親指」
「親指」の腹を当て、しごくようにしっかりとさする。足の指の裏のような狭い部分や、土踏まず辺りの力を加えやすい部分に使うとよい。
心のお疲れにはココを押す!
■くよくよする
小指の耳のゾーンを親指で刺激
くよくよするときは、心が揺れている可能性も。そんなときは安定をつかさどる耳を整えると、心を落ち着かせる手助けに。特に小指の耳のゾーンを刺激するのがおすすめで、親指の腹で下から上にさすり上げるように行って。
■イライラする
右足の肝臓のゾーンを指づので刺激
東洋医学には「怒(ど)は肝に宿る」ということばがあり、怒りを抱えているときは肝臓を酷使していると考えられている。肝臓のゾーンを指づので上から下にカリカリと細かくかくようにさすって。
■やる気が出ない
脳まわりのゾーンを親指で刺激
やる気が出ないとは、気持ちが前に向かない状態とも考えられるので、脳の活性化につながる刺激を。親指は大脳、視床下部、三叉神経のゾーンがあり、頭部を凝縮している。足の親指を手の親指でさすり上げて。
■緊張する
心臓のゾーンを指づので刺激
緊張しているときは巡りが滞りやすいので、心臓の機能を活性化して血行をよくする手助けを。左足の心臓のゾーンを指づので上から下へカリカリと細かくかくように刺激する。痛気持ちいい強さで行って。
美容のお悩みにはココを押す!
■肌荒れ
小腸と大腸のゾーンを招き猫の手で刺激
腸内環境が悪いと肌荒れやニキビといった不調を招くことも。そのため、肌荒れ対策で刺激するとよいのは小腸と大腸のゾーン。足の裏の中央辺りにあるこのゾーンを招き猫の手で、上から下にまんべんなくさする。
■やせたい
水太り
足の甲のリンパ腺やそけい部のゾーンを刺激し、余分な水の排出を促す。親指、人さし指、中指のつけ根に招き猫の手を当て、足首に向かってさすり上げる。
脂肪太り
招き猫の手で、代謝を促す肝臓と老廃物の排出を担う腎臓、大腸、小腸のゾーンにあたる土踏まず全体を上から下へ強めにさする。
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心や美容の不調にもお役立ちの足裏マッサージ。強すぎず、痛気持ちいいくらいで押すのがベストですよ。足のマッサージを習慣にすることで、体だけでなく心も肌も健康になって、ハッピーな毎日を送りましょう!
イラスト/早瀬あやき 取材協力/白倉綾子
文=高梨奈々