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「硫黄のようなニオイ」というが…実は硫黄は無臭だった/誰かに話したくなる地球の雑学

  • 2021年8月4日
  • レタスクラブニュース





日本の裏側は本当にブラジル!? フグが自分の毒で死なないのはなぜ? きっと誰かに話したくなる理系のウンチクを、『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から1日1本お届け!

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「硫黄は臭い」はホント!? 温泉っぽいニオイの正体


世界の火山地帯に黄色の結晶として多く存在する硫黄(元素記号はS)は、紀元前から知られている元素だ。人間の体にもタンパク質の構成元素として存在し、成人でおよそ140グラムの硫黄が含まれている。工業的にも重要な元素で、生ゴムに硫黄を加えることで弾力を増した加硫ゴムは、自動車タイヤなどに欠かせない存在となっている。

硫黄は炭素や鉄、鉛、銅などと同じく、特定の発見者がいない元素だが、フランスの化学者ラボアジェにより、1777年に初めて元素として分類された。

ところで、「硫黄」と聞くと温泉を連想し、硫黄泉の温泉というと「クサい!」と思う人は少なくないはずだ。ただ、われわれが温泉街などで感じる、いわゆる「硫黄のニオイ」は、原子番号16の元素としての「硫黄」のニオイではない。なぜなら、単体の硫黄は無臭だからである。

温泉の噴き出し口付近や火山の噴火の際に感じられる「卵が腐ったような」と形容される独特のニオイは、硫黄と水素の化合物である硫化水素のニオイである。たとえば、火山の噴火を伝えるニュースでしばしば使われる表現に「硫黄のようなニオイ」というものがある。

これは科学的には間違っているにもかかわらず、慣用的に使われてしまっている表現の一つ。決して硫黄がニオイを出すことはない。

ちなみに、ニラやタマネギ、ニンニクは独特の香りがするが、この中にも硫黄の化合物が含まれている。さらに、タマネギを刻むと涙が出てくるのも、硫黄を含む成分によって目がしみるためである。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』(KADOKAWA)




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