ほんの2分ほどのお昼のニュースで流れたのは、弟の死を伝えるものでした。
職人気質でお酒を飲むと財布のヒモがゆるくなる父、肝が据わっていてよその子でも平気でしかり飛ばす母、思春期をこじらせて素直になれない姉、そして自由奔放でヤンチャだけど誰からも好かれた弟。どこにでもあるような家族の風景が、警察からの一本の電話によって一瞬にしてもろく崩れ去ることに…。
肉親を突然失ったある家族が、再び歩き出せるようになるまでをつづった描きおろしオリジナルコミックエッセイ「16歳で帰らなくなった弟」。
妙な胸騒ぎが続いたという事件の夜についてお送りします。家族との毎日は、ある日突然なくなるものなのかもしれない…当たり前が当たり前じゃないということを考えさせられます。
著=きむらかずよ/『16歳で帰らなくなった弟』
【著者プロフィール】
きむらかずよ
イラストレーター。小学1年生の時にプレゼントされた漫画『うわさの姫子』に衝撃を受け、漫画やイラストを描くように。現在は3人の子育てをしながら、新米保育士としても奮闘中。交通事故で亡くなった弟のことを綴った本作品にて連載デビュー。