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わずか数十センチの津波でも油断は禁物/誰かに話したくなる地球の雑学

  • 2021年6月28日
  • レタスクラブニュース





日本の裏側は本当にブラジル!? フグが自分の毒で死なないのはなぜ? きっと誰かに話したくなる理系のウンチクを、『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から1日1本お届け!

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20センチの津波でも安心してはいけない理由


気象庁の津波注意報は、津波の高さが20センチメートル以上のときから発表されている。

「20センチだなんて大げさだ。海で泳いでいたとき、もっと高い波が来たけど平気だった」などと甘く考えてはいけない。通常の波と違って、津波は20センチメートルでも命に関わる危険があるのだ。

通常の波は、風などによってできた海の表面だけの凹凸が伝わってきたものである。だが津波は、海底から海面までの海水全体が猛スピードで陸地に激突してくるのだ。

津波ができるのは、地震で海底の形が急激に変わったとき。震源地の海底が突き上げられると、広い範囲で海が盛り上がって移動が始まる。たとえば深さ5000メートルの地点で高さ1メートルの津波が発生すると、時速800キロメートルというジェット機並みの速さで進むのだ。

海が浅くなるにつれて速度は落ちるが、沿岸部に到達してもオリンピックの短距離選手並みの速さである。しかも、浅くなるにつれて波の高さは増すうえに、日本に多い複雑な海岸線だと、ますます高くなって勢いも増す。

たかだか10センチメートルの津波でも油断は禁物だ。海水浴場やプールと違って避難路の地面は足を取られやすく、危険な漂流物までぶつかってくる可能性もある。30センチメートルの高さだと、成人でも転倒したりよろけたりし、50センチメートルだと流されることもある。また、何度も襲ってくる津波もあり、第1波が最大とはかぎらない。

2004年に起きたスマトラ島沖地震や2011年の東日本大震災で津波の恐ろしさは知っていると思うが、報道されるのは高さが何メートルもある津波の映像ばかり。数十センチメートルであっても、海からはできるだけ遠ざかったほうがいいのだ。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』(KADOKAWA)




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