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withコロナ生活が始まってもうすぐ1年。 家事が一層しんどくなったあなたへ

  • 2021年2月6日
  • レタスクラブニュース
「お母さん、今日のごはんなに〜?」。息子よ、夫よ、それがあなたたちの無邪気な問いなのはわかる。でもなぜそれを問うのはいつもあなたたちで、問われるのがいつも私なの? お母さんだって言いたいよ。「ねぇ、今日のごはんなに?」って(涙)

……前代未聞のコロナ禍に見舞われてもうすぐ1年。家族の生活スタイルが大きく変わり、「日々の家事が一層しんどくなった」「今までやり過ごしていた小さなストレスが見過ごせなくなった」という人が増えています。そこで新刊『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事』(KADOKAWA)の著者であるシンプルライフ研究家のマキさんに聞きました。「家事ってなくせるの?」「なくすとしたらどうやって?」。




毎日のご飯作りはなくせないけれど、作るわずらわしさはなくせる

−コロナ禍で多くの読者がものすごくウンザリしているのが、1日3食の食事の用意。「私が毎食作らないといけない」という義務感が苦痛、という意見が多く寄せられています。

マキさん
−わかりますよ〜。私も、コロナで子どもたちの学校が休校になり、夫もテレワークになった昨年の春ごろは“料理疲れ”していました。面倒くさいから今晩はカップ麺でいっか?と思いつつ、罪悪感がジャマしてなかなか実行できない……今思えば、自分で自分の首を絞めていました。でも夏ごろからかな、3食ちゃんと作ることをきっぱりあきらめたんです。“昼はカップ麺”な日があってもいい、って。最近は私自身が自分の料理の味付けに飽きることも多いので、“生活クラブ”のミールキットを注文して「自分以外の人の味付け」を楽しんだり、休日の夜は近所の総菜屋さんで揚げ物を買ったりしています。子どもたちもそのほうが喜んだりして(笑)。

―外食やテイクアウトも上手に利用されているのですね。それ以外で「料理をなくす」のはやっぱり難しいですよね。

マキさん
−“ご飯を作って食べること”はもちろんなくせませんが、作るわずらわしさはなくせるし、作る工程も省きようがあると思うんです。たとえばホウレンソウはただ茹でるだけにして食卓へ。「味はセルフでどうぞ」と、醤油やポン酢などを一緒に出して味つけは家族にまかせる。こうすれば作るのは“茹でるパート”だけで、“味つけパート”はなくせます。3時間煮込んだ豚肉も短時間で炒めた豚肉もお腹に入っちゃえば栄養的にそんなに変わるものじゃないし、そもそも夫も子どもも見てるのは食卓にのぼった料理だけ。作る工程なんていちいち見ちゃいません(笑)。それなら忙しい平日は肉も魚も炒めるだけでいい、と私は割り切ってます。






家族がラクに、自然に戻せる場所を収納場所にして、自分にしわ寄せが来ないように

―なるほど。片づけはどうでしょう? 「コロナ禍で家族が家にいる時間が増え、家は散らかる一方。片づけそのものも面倒だけど、もっとしんどいのは、“片づけるのはいつも自分ばかり”という不条理さ、不公平感です」と嘆く声も寄せられます。片づけの手間はなくせますか?

マキさん
−不条理で不公平だと思う気持ち……それもよくわかります。言うなれば「部活でいつも玉拾いばかりさせられてるような感覚」でしょうか? 人って「必要だからものを出す」ことはできるけれど、用事がすんだあと、元に戻すことがなかなかできない……家族に元の場所に戻してほしいなら、戻す場所をできるだけ明確にする。ラクに戻せるようにする。これが、片づけのシワ寄せが自分に来ないようにするための早道じゃないかと思います。

−それは具体的にどんなことですか?

マキさん
−まずは家族の“ただいま動線”を観察すること。さっきの出し入れと同じですが、人って出かけるときの「いってきます」は比較的がんばれる。でも「ただいま」のあとはほっとしちゃってもうがんばれない(笑)。だからもし子どもが帰宅後、いつも同じ場所にランドセルを放り投げてるなら、じつはそこがランドセルを置くのにベストな場所なのかも。それならそこに箱を置いて、そこをランドセル置き場にしちゃう。使用後のはさみがいろんな場所で迷子になるなら、部屋のよく通る通り道にはさみの収納場所を作る。そうやって、ものが自然に戻る配置を作れば、自分ばっかりが片づけて、「片づけなさい」って注意して、しまいには自分がいちばん疲れてる、という日々の徒労感がなくなると思うんですよね。

自分が疲れないために。小さなストレスを見逃さない




―マキさんはいつも感情がフラット。怒ったり、イライラしたりしなさそうで、うらやましいです。

マキさん
−私がいちばんいやなのは“疲れること” 。昔は私も子どもに文句を言ったり怒ったりしたこともあるんですが、疲れるし、効果がないことも多くてやめました。「壁を叩いたら私の手がいちばん痛かった」って感じです(笑)。だからつねにフラットな気持ちでいられるように、そのためにはどうしたらいいかを考えています。家事に関しては、そもそも「掃除しなくちゃ」「今晩は何をつくろう」などと考えることからして疲れるので、“私が疲れると思うこと”をどんどんなくしています。さらに、家事は意識してやると疲れるけど、習慣としてやれば疲れないことがわかったので、洗面ボウルの掃除は手洗いのついでにやるとか、キッチンのシンクの真後ろにオープンラックを置いて、くるっと振り返ればそこにすぐ食器をしまえるようにするとか、何かのついでに家事が進むように工夫しています。すべては“自分が疲れないため”です。




―自分が疲れないためにも、マキさんはwithコロナ生活をどうとらえて暮らしていますか?

マキさん
−コロナ禍で今まで外へ外へと向かっていた感情が内へ内へと向くようになりました。私はコロナ禍以前から暮らしを整えていたから、正直、そんなにストレスが増したりはしていませんが、とはいえ日々の生活の中で、少しでも「使いにくいな」「やりにくいな」と思うことがあったら、その都度修正するようにしています。たとえば、少し前から洗面所で使っている歯みがきのコップがどうもきれいにならない、ともやもやしていたのですが、その原因はコップの飲み口の折り返し部分であることが判明。折り返しの溝が細くて、汚れがたまりやすくて、洗いづらかったから、汚れが溜まる一方だったんです。そこでコップを溝がないものに交換。そうしたらコップを使うたびに感じていたもやもやが解消しました。こんなふうに小さなストレスを1つ1つ潰していくことこそ、快適な暮らしに近づく方法だと思っています。




−今までどうにかこうにかやり過ごしていたこと、「ま、いっか」と見て見ぬふりをしていたことがコロナ禍を経て、白日の下に晒されちゃった感がありますね。

マキさん
−そうですね。パンドラの箱が開いちゃったようなね。そうだとすれば、コロナ禍は見過ごしてきたことに気づくチャンスでもあると思うんです。この電気コードはこっちじゃなくてこっちのコンセントにつなげたほうが使いやすかった、とか、冷蔵庫の向きを90°回転させたら、断然使いやすくなったとか。どんな些細なことでもいい、少しずつでもいいから自分の暮らしを整えていって、ストレスをなくしていくことが、自分を疲れさせないコツ、このwithコロナ生活を軽やかに生きるコツだと思います。






【プロフィール】
マキさん
シンプルライフ研究家。ブログ「エコナセイカツ」主宰。YouTube#シンプルライフレッスン27DAYSプロデュース。アパレルブランドとの商品コラボやモデルハウスのプロデュースも行う。著書の累計発行部数は25万部超。近著に『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事』(KADOKAWA)がある。

取材・文=宇野津暢子
【レタスクラブ編集部】

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