更年期の肌荒れやニキビの悩みは深刻で、食事内容の改善やスキンケアの見直しだけでは肌悩みが解決しないケースも少なくはありません。そこで今回は、「もう食事に気を付けるだけじゃダメかもしれない」「以前と同じようなスキンケアなのに、ニキビが増えてきた」という悩みを持っている人向けに、更年期ニキビにおすすめの治療法を紹介します。
思春期のニキビとは異なる、いわゆる「大人ニキビ」が気になる場合は、ニキビの状態に合わせて薬を選びましょう。大人ニキビは慢性化しやすいので、適切なケアを行うことが大切です。
炎症が起きて赤くなっているニキビや膿んでいる黄ニキビの場合、抗炎症成分が入った薬を選びましょう。イブプロフェンピコノールやグリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸という成分はニキビの炎症を抑える働きをします。
また、ニキビができやすい人は、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑えるイソプロピルメチルフェノールやレゾルシンが入った薬の使用もおすすめです。
更年期は女性ホルモンの分泌量が減るため、ターンオーバーが乱れてニキビ跡が改善しにくいことがあります。
ニキビ跡を改善したい場合は、角質剥離成分であるイオウ、サリチル酸、レゾルシンが含まれる市販薬がおすすめ。
レゾルシンはアクネ菌の増殖も防ぐため、ニキビの予防効果も期待できますよ。
更年期に起きやすい心身の不調は、なかなか改善しないこともあります。肌トラブルを治すだけではなく、肌トラブルが起きにくいからだを目指していきませんか?そのためには、根本から心身のバランスを整える漢方薬の服用がおすすめです。
更年期の肌トラブル対策には「血流をよくして肌に栄養をいきわたらせる」「女性ホルモンの乱れを整える」「皮膚の炎症を鎮める」漢方薬を選びましょう。
・桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん):血行を改善して肌のターンオーバーを高め、しみやニキビなどの改善に役立ちます。
・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):肌を潤しながら炎症を抑え、さらに自律神経を整える作用があり、ストレスで悪化するようなニキビの改善に役立ちます。
漢方薬を服用する際には、自分の体質との相性も重要です。普段飲んでいるサプリメントや薬との飲み合わせを考慮したうえで、自分に適した漢方薬を選びましょう。
教えてくれたのは●山形ゆかりさん。薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入る。症状・体質に合ったパーソナルな漢方で、症状緩和と根本改善を目指す。