平たくて丸い生地にチーズやサラミをのせて焼いたあの料理、皆さんは何と呼んでいますか。おそらく、多くの人が「ピザ」や「ピッツァ」と言うでしょう。実は、この2つは明確に分けられているのです。今回は、ピザとピッツァの違いをご紹介！
「ピザ」と「ピッツァ」は、呼び方の違いだけだと思う人も多いでしょう。しかし実は、「ピザ」と「ピッツァ」は単純に呼び方が違うのではなく、別の物として存在します。
まず一つ目の違いから。ピザはアメリカから日本へと輸入されたものです。一方、ピッツァはイタリアから直接日本へと入ってきました。
言いかえればピザはアメリカ風、ピッツァはイタリア風の食べ物です。
アメリカから日本へと持ち込まれたピザには一体どのような特徴があるのでしょうか。ここからは、アメリカ風のピザについて紹介します。
アメリカから伝わったとされる「ピザ」ですが、アメリカで誕生したのではなく、イタリアからの移民がアメリカへと持ち込んだものです。よって、元をたどればイタリアの「ピッツァ」と同じものだといえるでしょう。
しかしながら、アメリカの文化や習慣・生活スタイルに影響を受け、アメリカ風へと変化を遂げたのです。
「ピザ」は安くて手軽に食べられることからアメリカの学生を中心に人気が広まりました。おなかを空かせた学生のためにたくさんの具がのせられるようになり、今の姿となりました。
学生に愛される食べ物としてアメリカで発展した「ピザ」は、たっぷりの具材がのせられ、ボリューム満点。トッピングの種類も豊富なことから、具材を楽しむ食べ物だともいえるでしょう。
また、生地もパン生地やクリスピー生地などさまざまな種類から選べるのも特徴です。
ピザカッターで切り分け、1枚を何人かでシェアして楽しむのがアメリカの「ピザ」です。大人数でも楽しめるようにと、直径が50センチをこえるサイズもめずらしくありません。
また、立ち話をしながら食べられるものであり、耳をつまんで手で食べても失礼に当たらないのがピザの魅力だといえるでしょう。
「ピザ」はオーブンやフライパンで焼くのが一般的です。
イタリアから直接日本に伝わった「ピッツァ」は、「真のナポリピッツァ協会」と呼ばれる団体により明確に定義づけられています。
この定義を満たしていないものは「ピッツァ」とは呼ばれず、「ピザ」として分類されるのだそう。では、どういったものが「ピッツァ」として扱われるのでしょうか。
「ピッツァ」は16世紀ごろにイタリアで誕生しました。フォカッチャによく似たパンが元になったという説があり、これが「ピッツァ」の原型だといえるでしょう。
最初の「ピッツァ」は小麦粉の生地ににんにくやオイル、塩、香辛料で味付けをしたシンプルなスタイルでした。
その後、トッピングにバリエーションが出て、バジルや魚などがのせられるように。さらに、トマトやチーズなどものせられるようになり、現在のスタイルが完成に！
「ピザ」は具材を楽しむものでしたが、「ピッツァ」は生地を楽しむ料理です。モチモチとした食感で、生地にこだわって作られています。
「ピッツァ」の定義にも、「生地の材料として、水と小麦粉、酵母、塩だけを使用しているもの」と定められています。
そうして作られた生地は手だけで伸ばさなければなりません。その後、薪や木くずを使用した窯で焼いて初めて「ピッツァ」として認められるのです。
「ピザ」は数人でシェアをして食べるスタイルでしたが、「ピッツァ」は1人で1枚を食べます。
直径30センチが「ピッツァ」の規格であり、ナイフとフォークを使って食べるスタイルです。
イタリアでも立ち食いのピッツァ店はありますが、その場合には「ピッツァ」を折りたたんで食べます。また、「ピッツァ」の耳は基本的には食べません。
「ピッツァ」として分類されるためには、「窯での直焼き」が条件です。さらに、窯の燃料は薪または木くずと定められていますので、これらの燃料を使って焼き上げる必要もあります。
「ピザ」と「ピッツァ」はもともとは同じ食べものとして誕生していますが、まず「発展した国」に違いがありました。
さらに「ピザ」が具材を楽しむボリュームのある料理というのに対し、「ピッツァ」は生地にこだわって作られた、生地を楽しむ食べ物です。
日本には「ピザ」と「ピッツァ」の両方があるため、違いを楽しんでみるのも楽しいですね！
まとめ／暮らしニスタ編集部
