冬の朝、車を使う時にとても厄介なのが凍ったフロントガラス。暖房で溶かそうにも時間がかかり、ぬるま湯をかけようにも再び凍る。これ、解消するのにすごく時間を取られるんですよね。ただでさえ冬の朝は、起床時間もギリギリになのに…。
今回はこの非常に厄介なフロントガラスが凍ったときの対応策をご紹介します。安全運転のためにもぜひ今のうちにチェックしておきましょう!
フロントガラスが凍結している時、普段どのように対処されていますか。ガリガリとこすったり、お湯をかけたり等して対処するのは、車を傷めてしまう場合があります。
ヘラなどでガリガリと表面をこするのは、氷を落とすのに時間も掛かってしまい、フロントガラスに傷をつけてしまう可能性があるため避けたほうが良いでしょう。フロントガラス用のスクレーパーなどを使用する際も、ガラスに砂やゴミなどが付着していると、それが原因で傷を付けてしまう場合もあるので注意が必要です。
また、冷えたフロントガラスに熱湯をかけるのも絶対避けるべき対処法。フロントガラスに熱湯を掛けると膨張して、ヒビが入ったり、最悪の場合割れてしまう恐れがあります。
40度以下のぬるま湯であれば、痛めてしまう恐れなく氷を溶かせますが、走行中に風を受けてまたすぐに氷の膜ができてしまう場合もあるため避けたほうが安心。走行中に氷の膜が張ると、非常に危険です。私も何度かぬるま湯で溶かして走行してしまい、すぐにフロントガラスが凍り、ひやっとした経験があります…。
凍結したフロントガラスは、解氷スプレーなどの専用品を使用したり、適切に対処することが大切です。
専用品を使用しても良いのですが、凍ったフロントガラスを一発で解決してくれるアイテムがあります。それはコロナ禍をきっかけにお家で用意されるようになった「消毒用エタノール」です。
この裏ワザは、大手製薬会社の健栄製薬もおすすめしている方法で、やり方はとっても簡単。アルコールに対応しているスプレー容器に消毒用エタノールを移して、フロントガラスに吹きかけるだけ。
擦る必要もなく、吹きかけたところからあっという間にフロントガラス表面の氷が解けていきます。
ちなみに、エタノールを吹きかけるだけでフロントガラスの氷が解ける理由は、エタノールの凝固点にあります。
水は0度以下で凍りますが、エタノールなどのアルコールは0度以下程度では凍りません。0度で凍る水と、0度では凍らないエタノールが混ざると、水の凝固点がぐっと下回り、水は凍っていられなくなるのです。これを凝固点降下といい、アルコールの度数が高くなるほど、凝固点は下がっていきます。
海外の寒い地域でよくウォッカなどのお酒が好まれるのも、体を温めるという理由もありますが、アルコール度数が高いお酒は凍りづらいという利点があるためです。
ただの水ではなく、エタノールと混ざった液体になるというのがポイント。ただし、ワイパーやボディなどの、ゴム、樹脂素材にエタノールが付着すると傷んでしまう可能性もあるため、吹きかける際は必ず雑巾などでカバーをしましょう。
フロントガラスの凍結を防止するために、事前に撥水コーディングを施したり、凍結防止シート、再凍結防止剤を含む解氷剤などの専用品を使用するのも便利ですが、お家にあるものを活用しても防止できます。
使用するものは新聞紙や使わなくなったバスタオル、毛布、アルミシートなど。前日の夜の内に、バスタオル等をフロントガラスに覆っておくだけで凍結を防げます。このとき、隙間ができないように覆ってあげるとさらに有効です。
ただ凍結防止シートなどの市販品のように取付部はないため、風で飛ばされないようワイパーやドアに挟んで固定しましょう。
ちなみに雪の日に駐車する際に、ワイパーを立てておく方も多いかと思いますが、大雪が降ったり、風が強い日には、ワイパーは立てないほうが良いと言われています。というのも大雪や強風の中でワイパーを立てておくと、折れてしまう恐れがあるためです。またフロントガラスの雪を下ろすときも、ワイパーに負荷をかけないように注意しましょう。
冬はフロントガラスの凍結だけでなく、リアガラスの結露や路面の凍結、吹雪による視界不良など事故につながるトラブルに見舞われやすい季節です。解氷剤や凍結防止シート、コーティング剤などの専用グッズを取り入れたり、上手に裏ワザを活用したりなどして、安全意識を高めていきましょう!小さな問題を見逃さずに一つ一つ解決していくことが、安全への近道です。
まとめ/滝谷遥