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朝倉「曲水の宴」歌集公開 栄華示す書写本4点 9日から

  • 2024年2月28日
  • 北陸新幹線で行こう! 北陸・信越観光ナビ

3月9日に始まる特別展で公開される「越前一乗谷曲水宴詩歌」(手前)など新収蔵品4点=福井県福井市の県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】
 福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(福井市)は、5代当主朝倉義景が催した歌会「曲水の宴」で詠まれた和歌をしたためた歌集の書写本など、和歌に関する新たな収蔵品4点を報道陣に公開した。博物館は「義景が催した曲水の宴にまつわる史料が良質な形で残るのは貴重で、朝倉氏の文化活動の盛んな様子を物語る」としている。

 4点の史料は、3月9日から始まる北陸新幹線県内開業を記念した特別展「戦国大名朝倉氏 武威の煌(きら)めき〜源氏物語と戦国武将」で公開される。

 曲水の宴は、曲がりくねった小川に面して座り、上流から流れてくる杯が自分の前を通り過ぎる前に歌を詠み、杯を次へ流すという遊び。奈良時代から平安時代にかけて貴族の間で流行し、その後廃れた。

 歌集は江戸前期の「越前一乗谷曲水宴詩歌」。縦17・9センチ、横406・7センチで、8本の料紙を継ぎ合わせ一巻に仕上げている。

 曲水の宴は永禄5(1562)年、一乗谷に下向する大覚寺門跡の大覚寺義俊をもてなすため義景が再興した。歌集にはその際に詠まれたものが収められている。義俊のほか、朝倉氏の一族、家臣らの詩歌30首を収録。料紙には歌に合わせた動植物などが金泥や銀泥で描かれている。

 あとの3点は、勅撰(ちょくせん)和歌集の一つ「後撰和歌集」の書写本と、名所和歌集の解説書である「勅撰名所和歌抄」の書写本二つ。いずれも朝倉氏にゆかりのある公家3人が室町時代に書写した。名所和歌抄には、紫式部が越前国の塩津山を詠んだ和歌も掲載されている。

 博物館の学芸員は「国を安定させるには文化の力が必要だった。曲水宴詩歌には見応えのある凝った装丁が施されている。観賞用だったのではないか」と話していた。
【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】

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