「このコンテンツは、FoE Japan発行の『green earth』と提携して情報をお送りしています。
循環型社会形成推進基本法に3R(リデュース、リユース、リサイクル)の優先順位が明記されてすでに10年以上がたちます。しかし、実際には、リサイクルのみが進められ、「大量生産、大量消費」型の社会からの脱却は進んでいません。FoE Japanはこれまで国内外の様々なリデュース(発生抑制)の施策・取り組み事例を調査研究してきました。2012年度、これらをベースに日本における実効性のある発生抑制のしくみづくりに向けて検討作業を行い、このたび提言書を発表しました。
3Rの中で最も優先すべきとされているリデュース(発生抑制)が、一部の自主的取り組みにとどまり、進んでこなかったのはなぜでしょうか?
多くの人にとって、地球規模の資源の有限性のような問題は、なかなか実感がわかないということがあるでしょう。さらに、発生抑制には、サービスの低下や経済へのマイナス影響といったイメージがつきまとい、社会が「意志」を持って進めてこなかった結果といえます。
しかし、施策次第では、経済成長と資源使用量の切り離し(デカップリング)は可能です。様々な事例から、発生抑制の取り組みを促進することは、地域活性化にも資すると期待されます。
FoE Japanは、これまでに蓄積してきた国内外の施策・取り組み事例調査等をベースに、学識者、事業者、市民団体などによる「発生抑制検討会」を開催しながら、発生抑制のしくみづくりに向けた提言の検討作業を進めてきました。2013年2月19日、東京で主催したシンポジウムにおいて、提言書「より少ない資源でより豊かなくらしを〜発生抑制のしくみづくりに向けた提言」を発表しました。
本提言の対象は、容器包装および短時間1回限りの使用のための製品(いわゆる使い捨て品)としました。国内外において、国レベル・地域レベルの発生抑制の施策・取り組みの先進事例が数多くあり、これらを比較、検証することにより、我が国における新たな制度設計を検討することが可能であったためです。
提言では、以下を基本方針、めざすべき方向性として、発生抑制のしくみづくりを提案しています。
また、その実現のためには、各主体の情報共有、コミュニケーション、協働が重要な鍵となります。
これらの方針に基づき、法制度を整備することが可能であり求められる内容としては、具体的に8項目を提案しました。
※提言書の全文はこちら
http://www.foejapan.org/waste/library/130219.html
提言書の発表は、めざす社会への第一歩です。提言内容の実現に向けて、さらに活動を強化していくとともに、今回の提言では取り上げなかった分野も含めた、よりよい発生抑制のしくみのあり方を引き続き追究していきたいと思います。
(『green earth』vol.46 2013 springより抜粋)