サイト内
ウェブ

「このコンテンツは、FoE Japan発行の『green earth』と提携して情報をお送りしています。

Vol.1 より少ない資源で より豊かなくらしを 〜発生抑制のしくみづくりに向けた提言

  • 2013年9月19日

提言発表 循環型社会形成推進基本法に3R(リデュース、リユース、リサイクル)の優先順位が明記されてすでに10年以上がたちます。しかし、実際には、リサイクルのみが進められ、「大量生産、大量消費」型の社会からの脱却は進んでいません。FoE Japanはこれまで国内外の様々なリデュース(発生抑制)の施策・取り組み事例を調査研究してきました。2012年度、これらをベースに日本における実効性のある発生抑制のしくみづくりに向けて検討作業を行い、このたび提言書を発表しました。

資源使用量と経済成長の切り離しは可能

 3Rの中で最も優先すべきとされているリデュース(発生抑制)が、一部の自主的取り組みにとどまり、進んでこなかったのはなぜでしょうか?

  多くの人にとって、地球規模の資源の有限性のような問題は、なかなか実感がわかないということがあるでしょう。さらに、発生抑制には、サービスの低下や経済へのマイナス影響といったイメージがつきまとい、社会が「意志」を持って進めてこなかった結果といえます。

 しかし、施策次第では、経済成長と資源使用量の切り離し(デカップリング)は可能です。様々な事例から、発生抑制の取り組みを促進することは、地域活性化にも資すると期待されます。

 FoE Japanは、これまでに蓄積してきた国内外の施策・取り組み事例調査等をベースに、学識者、事業者、市民団体などによる「発生抑制検討会」を開催しながら、発生抑制のしくみづくりに向けた提言の検討作業を進めてきました。2013年2月19日、東京で主催したシンポジウムにおいて、提言書「より少ない資源でより豊かなくらしを〜発生抑制のしくみづくりに向けた提言」を発表しました。

提言の概要

 本提言の対象は、容器包装および短時間1回限りの使用のための製品(いわゆる使い捨て品)としました。国内外において、国レベル・地域レベルの発生抑制の施策・取り組みの先進事例が数多くあり、これらを比較、検証することにより、我が国における新たな制度設計を検討することが可能であったためです。

  提言では、以下を基本方針、めざすべき方向性として、発生抑制のしくみづくりを提案しています。

  1. 地球から取り出す資源・エネルギーと環境負荷の最小化
  2. 原単位での削減をめざすこと
  3. 原単位だけでなく、トータルの発生量の削減をめざすこと
  4. 資源消費量の削減だけでなく、ライフサイクル全体でのCO2排出量等の環境負荷削減をめざすこと
  5. サービスに対する価値観を時代に合ったものにすること
  6. 社会的インフラ整備、まちづくり、人々の健康維持などを含めたメリットの発見・創出
  7. 地域の経験を国全体のシステムに発展させ実効性を持たせること
  8. 取り組みを促進するための情報公開の徹底
  9. 政策意志決定への市民参加の確保

 また、その実現のためには、各主体の情報共有、コミュニケーション、協働が重要な鍵となります。

図:めざす社会に向けた協働
図:めざす社会に向けた協働
※クリックすると拡大画面が表示されます。

 これらの方針に基づき、法制度を整備することが可能であり求められる内容としては、具体的に8項目を提案しました。

発生抑制の制度的な提案

発生抑制報告書表紙

  1. 過剰・過大包装抑制と環境配慮設計促進のための法整備
  2. レジ袋・紙袋等の削減のための絶対目標達成義務付け
  3. 飲料容器削減のための公共調達抑制
  4. 使い捨て品の使用規制
  5. 国立公園、世界遺産指定地域等における使い捨て容器包装の販売・使用の禁止
  6. 3R推進センター、3R推進地域協議会の設置
  7. 情報公開の拡充・徹底
  8. 政策意思決定への市民参加の確保

※提言書の全文はこちら
http://www.foejapan.org/waste/library/130219.html

提言の実現とよりよいしくみのあり方を求めて

提言書の発表は、めざす社会への第一歩です。提言内容の実現に向けて、さらに活動を強化していくとともに、今回の提言では取り上げなかった分野も含めた、よりよい発生抑制のしくみのあり方を引き続き追究していきたいと思います。

(『green earth』vol.46 2013 springより抜粋)

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。