なんで自分の写真は、いつまで経っても「微妙」なままなんだ!
iPhone 16 Proという超高性能カメラを手にして、写真や動画の撮影を日常的に楽しむようになった筆者。でも試行錯誤しているわりに、上手くなった気がしない。
SNSを見ると、スマホで超かっこいい写真を撮ってる人、たくさんいるじゃないですか。なんでこうも自分が撮る写真や動画って、パッとしないんだろう?
そう悩んでいたのですが、ついに突破口を見つけました。それが「NDフィルター」です。
NDフィルターとは、レンズに入ってくる光の量を減らしてくれる、物理的な遮光板です。
「カメラ用のサングラス」だと思えばわかりやすいかもしれません。太陽がめっちゃ眩しいとき、サングラスをつけると一気に世界が見やすくなるじゃないですか。
レンズにも同じようなことができて、光が強すぎる環境でこのNDフィルターを使うと、綺麗に写真や動画を撮れちゃうってわけなんです。
使い方は簡単。レンズの上にフィルターを被せてあげるだけ。クリップ式でスマホに取り付けるタイプなんかがメジャーです。
NDフィルターをつけた「SnapClick」今回は、SUNEASTというメーカーからリリースされたばかりの「SnapClick」という商品をiPhone 16 Proに着けて撮影した作例で「NDフィルターを使うと、どんないいことがあるのか」をご紹介します。
今回使用する写真と動画は未編集です。使用したのは、ND16のフィルターです。
検証に向かったのは、晴天の奥多摩。桜が咲いていたので絶好の撮影日和、日差しも強いのでND日和でもあります。
とりあえずNDフィルターをつけて、純正のカメラアプリを使ってパシャリ。ん? なんだかいい感じな気がする。
NDフィルターを使うと、写真が自然な仕上がりになる印象です。物理的に光の量を抑えるので、ISOが上がりすぎず、写真のノイズを抑えられます。無理な画像処理も行なわれなくなり、被写体の質感をそのまま捉えられます。
iPhoneのカメラは補正機能が超優秀。明るすぎる環境においても、ISOとシャッタースピードを思いっきり調整して、綺麗に撮れるようにしてくれますが…これは撮影に適さない環境をテクノロジーの力でねじ伏せているようなものなのかも。
NDフィルターを着けて撮影。柔らかさがある NDフィルターを着けずに撮影。パキッとした印象NDフィルターを使うとシャッタースピードが少し長くなり、“動き”がわずかに写真に溶け込みます。その結果、柔らかい雰囲気になります(シャッタースピードが速いほど、動きが完全に止まりやすく、どこか機械的な“カチッとした写真”になる)。
とりあえず着けるだけで、効果あり。もうNDフィルター、一家に1枚でいいんじゃね? そう思っちゃいました。
性能が高すぎるiPhoneのカメラ。どんな状況でも超綺麗に撮れちゃう一方で、完璧すぎて遊びがなく、自分好みに仕上がりにくいようにも感じます。
そんな“iPhoneに投げっぱなし撮影”では満足できなくなった自分は最近、撮影設定を細かくいじれるマニュアルカメラアプリを使うようになりました。
ただ、やっぱり難しい。特に気になるのが「白飛び」。写真の一部が極端に明るくなり、ディテール(階調や色味)が完全に失われて純白になってしまう現象です。
NDフィルターはそんなときにも頼りになります。光をカットしてくれる(=暗くなる)ので、白飛びが起きにくいのです。
NDフィルターを着けずにマニュアル撮影。雲の白飛びが目立つ NDフィルターを着けて撮影。雲の形がきっちり出ている撮影が難しい逆光でも、NDフィルターをつければ全体の露出を調節できました。適正露出の範囲が広がるため、より幅広い設定での撮影が可能になります。
NDフィルターを着けずに撮影 NDフィルターを着けて撮影綺麗に撮れるだけじゃありません。NDフィルターは、表現の幅も広げてくれます。
スローシャッター撮影はその代表例。シャッタースピードを超遅くすることで、水の流れや光の軌道を線状に写すテクニックですが、光を多く取り込むため、画面が真っ白になってしまうことがあります。
そこで、NDフィルター。入ってくる光の量を物理的に減らせるため、スローシャッター撮影も可能になります。
NDフィルターを着けて長時間露光撮影。水面がなめらか NDフィルターを着けずに長時間露光撮影。水面に波紋が出ています多摩川の流れを撮ってみました。NDフィルターを使うと、水の流れがとてもなめらかな、特別な写真が撮れました。NDフィルターがない状態だ水面には謎の白い線が。少し白飛びも起きています。
なんか自分の動画、しっくりこない。そうこと思ったことないですか?
それ、スマホ特有の「パキッとした映像」が原因かも。
一般的に、動画における適切なシャッタースピードは、「1 / フレームレートの2倍」と言われています。24 FPSなら、シャッタースピードは1/48。
ところが、明るい環境でiPhoneでそのまま撮ると、シャッタースピードがフレームレートの何倍にもなってしまいます。そうすると、動いているものがピタッと止まったような、クッキリとはしているんだけど自然じゃない映像になってしまうんです。
そんなときにもNDフィルターが効きます。適切なシャッタースピードで撮影できるようにしてくれます。
NDフィルター着用時では1/48でも白飛びしない NDフィルターを外すと、1/48では白飛びしてしまう NDフィルターを着けずに適正露出にするには、1/200にする必要があるシネマチックな映像を撮るなら、24 FPSが良いとされています。ただ、そのままだと1/48で撮影するのは難しい(思いっきり白飛びしちゃったりする)ので、NDフィルターが効いてくるってわけですね。エモさあるVlogを撮るときなんかには最適でしょう。
え!なんか自分、写真が上手くなってる!
使いながら、思わずウキウキしてしまいました。ただフィルターを着けただけなのに。
iPhoneの画像処理は確かにすごい。でも、どこか物足りなさを感じていた私にとって、NDフィルターは、写真に「自分らしさ」を取り戻せる、そんな自由をくれるアイテムでした。
写真や動画って、完璧に綺麗であることだけが正解ではないんですよね。あえてブレることで自然になったり、明暗を調整して自分好みの絵にしたり、心動かす作品には、そうした撮影者のこだわりが詰まっています。
そして、優秀すぎるテクノロジーに頼り切りになって忘れていた、モノづくりの面白さも思い出させてくれました。こうしたらもっと良くなるんじゃないか、今回はこうしてみよう、と自分なりの正解を求めて試行錯誤する行為自体が、楽しいわけです。
そういった意味で、iPhone(Proシリーズは特に)って本当に味わい深いデバイスだと思います。そのまま使っても優秀ですが、使い倒せばそのポテンシャルを何倍にも引き出すことができるはず。スマホ一つで、めちゃくちゃ遊べますよ。
今回使った「SnapClick」は、マグネット式のフィルターがケースに一体化されたユニークなプロダクトです。
クリップ式フィルターのように取り付けの手間がなく、フィルターがピタッとハマるのでズレることもありません。
また、NDフィルター以外にも、独特の風味を出せる多様なフィルターが用意されているもの面白いところ。
クロスフィルターを使用たとえば、「クロスフィルター」を使うと、光をキラリとした星形にしてくれます。水面の反射や、イルミネーションなんかがとても綺麗に写るでしょう。
フレアフィルター (Blue)を使用「フレアフィルター (Blue)」は、光が青いラインになるフィルターです。夜の街が、一気にサイバーな感じになりました。
フレアフィルター (Blue)を使用多様なフィルターで、自分のクリエイティビティを思う存分発揮できます。「SnapClick」について詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
写真がうまくなるiPhoneケース、発見 フィルターがピタッとくっつくのが画期的誰でも超簡単にハイレベルな写真や動画を撮れるiPhone。もう一歩上を目指したいなら、外付けのレンズフィルターが役立ちます。ただ、スマホ用フィルターといっても選択肢が多すぎて迷うことも。そんなところに、「これもしやスマホ用レンズフィルターの理想形?」と思えるプロダクト、見つけました。 それが、フィルターとケースが一体となった一石二鳥のプロダクト「SnapCl https://www.gizmodo.jp/2025/04/suneast_snapclick.htmlこれからいよいよ夏シーズン。かんかん照りの下に広がる真っ青な海や、夜空に広がる花火、旅行で見る絶景など、たくさんの素敵な被写体に出会える季節です。
くすぶっていた写真の腕を、解決してくれるスーパーアイテム「NDフィルター」。もし私みたいな、撮影をもう一歩レベルアップしたい人がいれば、ぜひおすすめしたいアイテムでした。
今回試用したケースとフィルターはサンプル品であり、正規品では一部デザインが変更になる場合があります。
Photo: 小野寺しんいち Source: Makuake