クマってこんなに早いんだ...!
冬眠から目覚めたお腹を空かせたクマたちが下界に降りてきて、人間と出くわすことが増えるこの時期。アメリカのワイオミング州では、人間がクマと対峙したときのトレーニングのために「ロボベアー」がリリースされています。
ワイオミング州漁業狩猟局が所有しているロボベアーは、リモコン操作できる車輪付きのクマのオブジェ。猛スピードで突進してくるクマがいかに早く、そしていかに人間がそれに対応する時間がないかをシミュレーションできる装置なのです。
「高いストレス下で自分がどう行動するかはわからないものです。だからこそ、事前の計画と練習が重要なのです」
サファリクラブインターナショナル財団(SCIF)の大型肉食動物プログラムマネージャー、マリア・デビッドソン氏は、財団の声明で述べています。SCIFは野生動物保護をしている非営利団体で、ロボベアープロジェクトのパートナーでもあります。
Cowboy State Dailyの説明によると、訓練では参加する人たちがまずグループに分けられ、各自にニセのクマスプレーの缶が配られるとのこと。その後、1グループずつロボベアーに背を向けるよう指示されます。
ロボベアーは参加者たちの背後から突進。主催者が警告を発するのですが、参加者は警告を聞いたら、すぐに振り向いてクマにスプレーを噴射しなければなりません。でも、意外と難しいようです。こんな感じで訓練が行なわれています。ごらんください。
実際に訓練に参加したマーク・ハインズ記者は、「僕はホルスターのベルクロ式留めストラップを缶の上に掛けたままにしていたけど、それはバカなことでしたね。警告を聞いてストラップに手間取って、緊迫した瞬間にすごく指が震えていました」と感想を述べています。
訓練の目的は、クマスプレーをできるだけ早く出して、噴射する練習をすることです。
主催者の説明によると、このスプレーはすぐに取り出せる状態でなければ役に立たないそう。クマは時速56kmで突進してくるので、バックパックの中にあるスプレーを探している余裕なんてないんです。なので、クマスプレーは、いつでも取り出せるホルスターに入れて常に利用できる状態にしておかなければならず、グループ全員が1本ずつ持っていた方がいいとのこと。
ワイオミング州漁業狩猟局のブライアン・デボルト氏は、「クマスプレーは、攻撃的なクマに遭遇した場合は効果的です。この取り組みによって皆さんの意識が高まり、クマの生息地で活動する人たちがしっかりと準備をして、クマから自分を守ってくれることを願っています」と述べています。
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