超豪速レーシングが繰り広げられるカースポーツ「F1(フォーミュラ 1)」。
先日、4月4日(金)から鈴鹿サーキットで開催された日本グランプリ。F1のグローバルパートナーであり、日本グランプリのスポンサーでもあるLenovo(レノボ)にご招待いただき、F1を見る貴重な機会をいただきました。
カメラが追いつかないくらいの車の速さや、会場に鳴り響くエンジン音、充満するタイヤの焼けた匂い、パドッククラブの華やかな世界はもちろん、そこには「生のF1」を世界中に届ける裏舞台がありました。
F1は、各10チームにドライバー2人、そして100人ほどのエンジニアやメカニック、PRなどのスタッフがサーカス団のように世界各地のサーキットを回っていきます。
グローバルなスポーツであるがゆえ、180以上の国と地域から約7億5000万人のファンがレースやライブ配信を視聴しています。今回お伺いしたのはフリー走行(いわゆる練習走行)でしたが、世界中のファンが応援に来ていて、"F1ファンダム"の大きさを実感しました。
Photo: chisato kuroda フリー走行が始まる前の客席の様子そんなF1の会場は、データが飛び交う「情報戦の最前線」。とはいえ、各チームの戦略データなどに限った話ではなく、ファンに提供されるデータも実はすごいんです。
F1の公式アプリ「Formula 1®」では、レース中のこんな細かいデータをリアルタイムで見ることが可能。
・ラップタイム(1周のタイム)
・ギャップタイム(1位とのタイム差)
・インターバル(前後とのタイム差)
・履いているタイヤの種類
・各ドライバーの走行位置
・ピットイン/アウトのタイミング etc
これらのライブ配信によって、ファンは世界中どこにいてもまるでドライバー席にいるような観戦が体験できるのです。
Image: F1/chisato kuroda 公式アプリ「Formula 1®」のドライバートラッカーとくに注目したいのが「チームラジオ」。無線によるドライバーとチームのやりとりが聴けるので、レース真っ最中の緊張感のある会話や勝負どころでの戦略、ドライバーたちのキャラクターが見えたりと、なかなか面白い。このチームラジオからネットミームも生まれているんだとか。
シーズン中の過去レースの中継データも見ることができ、ファンの心をくすぐる工夫がたくさん詰まっています。
Image: F1/chisato kuroda チームラジオが実況のあいまに流れてきます世界中のファンへ届けられるF1のライブ配信。これを支えているのが、まさにF1の裏舞台であるETC(イベント・テクニカルセンター)です。
Photo: chisato kuroda 鈴鹿サーキットに設置されたETCETCは世界最大級の可搬型のテクノロジー施設。2セットで回しているものの、世界各地にあるサーキットへの移動と設置&撤収を繰り返しているため、スケジュール的にギリギリなこともあるんだとか。
Image: Lenovo ETC内の様子まず、車に搭載される93台以上のカメラや最大150個のマイク、サーキットに設置された28台のUHDトラックカメラや、ガードレールなどに取り付けられた特殊カメラなどによって配信データが撮影されます。
そしてこれらの動画や計測されたすべてのデータがこのETCから、イギリス・ビギンヒルにある本部MTC(メディア・テクニカルセンター)に集められます。こちらはリモート処理やカメラ色補正などのシステムがETCから移管された施設。
Image: Lenovo イギリス・ビギンヒルにあるMTC400台以上のモニターが設置されているMTCで素早い処理がされたのち、ドライバーの位置情報や測定されたタイムなど、すべてのデータが私たちの元にライブ配信される仕組みになっています。
1つのグランプリで、転送されるすべてのデータを合計すると500TBにもなるんだとか。たったの3日間のレースでこんなに大量のデータが生成されるなんて、F1の情報量の多さを物語っていますよね。
実際にサーキットでライブ配信を見ていると、やはり数秒の遅延は感じられました。それでも1000分の1秒を争うF1の世界で、このようなルートを経て届けられていることを考えると処理の速さに感動します。
Image: Lenovo MTC内の様子そしてこれらのデータを動かしているのが、テクノロジーパートナーであるLenovoのノートPCやデスクトップ、モニター、タブレット、モトローラのスマートフォン。これらのIT機器がETCやMTCのスタッフだけでなく、経営層からトラックサイドのエンジニアまで600人以上のF1関係者をサポートしているそう。
世界中のさまざまな場所で使われるからこそ、IT機器に求められるのは安定性と耐久性。赤い丸ポチがアイコニックなLenovoのPC「ThinkPad」は過酷な環境下でのテストをパスしていて、熱や粉塵、運搬の際の衝撃に耐えられるようになっているんだとか。
Image: Lenovo MTCで使用されているLenovo製品F1は今後、さらに新しい顧客体験をつくり出すべく、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の分野も模索していく予定。
Lenovoのインフラストラクチャー・ソリューションズ・グループ(ISG)アジアパシフィックプレジデントであるSumir Bhatia氏は取材のなかで以下のように述べていました。
F1はイノベーティブなスポーツ。テクノロジーも常に革新的なものにし続けていく必要がある。
Image: Lenovoサーキットの中でも外でも最先端を走り続けるF1、「ただのカースポーツ」以上の魅力と価値をひしひしと感じています。
Source: Lenovo, FIA