今、その時を楽しむ腕時計。
人は正確な時間を見るために時計を使います。でも、作る側は、技術やデザインで個性を出しても「結局行き着く先は同じで面白くない」となっちゃうようです。
ヘルシンキに住む日本人デザイナー、安藤 悠さんのブランドAndoAndoAndoが「Vinyl Record Automatic Watch」を発表しました。
究極にシンプルな機械式時計「A-1 Automatic」に続く新作は、レトロなターンテーブルを再現したもの。
前作は実用性重視でしたが、今度は遊び心を優先しています。
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中身はMiyotaの薄型プレミアム機械式ムーブメント「9039」を使っており、全体はTechnicsの名ターンテーブル SL-1200シリーズに触発されたデザインです。
秒針は中央のラベルにある文字部分が回転し、時針は一段下のラベルにある「A」の回転を見ます。分針は「く」の字になったアームで、曲がった先端のレコード針が現在の時間となっています。
Image: AndoAndoAndo数字もないしアームは曲がっているしで、わざとカッチリした時刻をひと目で見るのは難しい構造です。
これは安藤氏の遊び心でもあり、どこも安全パイみたいで無難な腕時計ばかり、という流れに一石を投じるアート魂の現れでもあるのです。
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氏は、時計ブランドにも時計ファンにも頭の片隅にある「リスクを取らない製品はつまらない」という想いを汲み取ったのだとおっしゃいます。
リスクを取って作った「Vinyl Record Automatic Watch」が注目されているのは、まさに「してやったり」。今後もしばらくは、一風変わった腕時計を出していきたいとのことです。
カラバリは赤/黒/銀および黒/金/黒、または限定30本の金色バージョンが、6万4300円で予約受付中です。
書籍(Kindle版もあります)Source: Instagram, AndoAndoAndo via designboom