走行中でもどこでもドローン。
イーロン・マスク率いるTesla(テスラ)に対抗する勢いの、中国の電気自動車(EV車)メーカーBYD(ビーワイディー)。さらに新しいEV車の仲間を手に入れました。その相手がDJIのドローンです。
中国国営メディアの新華社によると、BYDは、DJIと共同開発した車載型ドローン発射システム「Lingyuan」を発表しました。このシステムはBYDのすべての車両で利用可能で、価格は1万6000元(約33万円)。このシステムは中国国内限定で提供される予定です。
BYDが公開した動画には、SF映画のような未来の姿が描かれています。 動画では運転手が車両のタッチスクリーンのボタンを押すと車の屋根にあるハッチが開き、
Image: BYD上昇するランディングプラットフォームが登場。そこに設置されているドローンがEV車が走行中に離陸して、車の後方を自律的に追尾してくれています。
Image: BYDなんとドローンは、時速25kmまでの速度で離陸と着陸が可能で、車両から半径2km以内であれば自動帰還機能を利用できるようです。また、最大時速54kmで車を追尾可能とされています。さらに、ドローンの格納庫(ハンガー)は、ドローン収納中に自動充電する機能まで備えている充実ぶり。
Lingyuanの購入価格には、DJI製のドローン(具体的なモデルは不明)、屋根に設置するドローンハンガー、そしてLingyuanシステム対応アプリが含まれます。これらのアプリには、動画編集アプリ(おそらくDJIの既存アプリのひとつ)や、AI認識機能を備えたアプリが含まれるとみられています。
また、BYDのデモ動画には「AIによる自動撮影機能」が含まれていて、どうやらLingyuanが車両周囲の写真を撮影できるようです。ただし、このシステムをBYDオーナーが後付けできるのかについては今のところ確かな情報はありません。
BYDの会長 王伝福(Wang Chuanfu)氏は、中国の都市深センで開催された発表イベントで、DJIと共同でゼロから完全統合型のシステムを開発していることを明らかにしました。BYDとDJIのコラボレーションによって生まれたLingyuanは、一般向けの車載型ドローン発射システムとしては初の試みで、ドローン技術を活用した未来のモビリティの可能性を広げてくれそうです。今後、このシステムがどのように展開されて、どのような用途に活用されるのか、今後の開発や発表に期待したいところ。
日本でもすぐに…とは恐らくならなそうですが、いずれEV車やモビリティのスタンダードになる日もそう遠くないのかもしれません。
Source: BYD, The Verge
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