最近では、AIを利用して作られたあたかも本当かのような動物の動画がSNSに溢れていますが、こちらは正真正銘ホンモノです。
1872年に世界初の国立公園として誕生した「イエローストーン国立公園」。アメリカのモンタナ州、ワイオミング州、アイダホ州にまたがる総面積8,980km²という広大な敷地を有しています。1978年には世界自然遺産に登録されています。
地球上に存在する温泉の約半数と、約3分の2の間欠泉がイエローストーン国立公園内にあり、虹色に輝く温泉など特異な自然現象が見られるのも魅力のひとつです。
2025年2月11日、ここのガイドとして働くBo Welden氏が、温泉とオオカミというイエローストーン国立公園のならではの光景を自身のインスタグラムに投稿してくれました。
この投稿をInstagramで見るBo Welden | Wildlife Guide | Jackson Hole, WY(@bo_knows_outside_)がシェアした投稿
雪と温泉の湯気で真っ白な景色を、黒いオオカミが歩いています。なんと、にあるんだとか。ほかにも2頭のオオカミが映ってますね。
キャプションには、
“ゴーストウルフ”
これまで経験したなかで、最も典型的なイエローストーンの瞬間を目撃できました。地熱で暖まった遊歩道を歩く、黒いオオカミの姿です。温泉からの湯気が、その他の群れのオオカミを隠しています。自分の目でこの光景を見られたなんて信じられません。
これまで見た中で、最も見事なオオカミの姿です。人生最高の日かも! 夏はここを歩くたびに、この日のことを思い出すんだろうな。
と書かれています。その興奮と感動が伝わってきます。めちゃくちゃ寒そうですが、うらやましい。
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この2日後には、国立公園内のワピティ湖で捉えたオオカミの姿も、インスタグラムに投稿しています。
かつては日本の本州、九州、四国の山地にもニホンオオカミが生息していたようですが1905年1月に奈良県で捕獲された若いオスを最後に、この手を確認できる個体の記録はないとのこと。この後まもなく絶滅したと考えられています。
アメリカでもアメリカアカオオカミという種類が、1980年に絶滅危惧種に指定されました。米各地では、絶滅から守るために野生にオオカミを放つことが何度か行なわれています。
イエローストーン国立公園に、14頭のハイイロオオカミが運び込まれたのは、1995年の真冬のこと。さらにこの1年後には、カナダ生まれのオオカミ17頭が追加されました。バランスを崩した公園内の生態系をよみがえらせようという試みです。
結果は、増えすぎたシカをオオカミが捕食することで数が減少し森が再生した、などポジティブな面もありました。一方、生態系はもっと複雑であり変化したのはオオカミのみによる効果ではないと唱える生物学者もいたりと、なんらかの変化はあったようですが試みが成功したかどうかはわからなかったようです。
なんであれ、海の向こう側にいる美しいオオカミの姿を見ることができるこの時代に生まれてよかったです。
Sources: yahoo, For The Win, Instagram
References: National Park Service, 環境省, 日経サイエンス