どんなシナジーが生まれるでしょうか。
あなたは、Beeper(ビーパー)というスタートアップをご存知でしょうか? 2023年12月にこの会社がリリースした「Beeper Mini」はメッセージアプリ界で話題になりました。
日本のメッセージアプリといえばLINEが王者として君臨していますが、欧米ではWhatsApp(ワッツアップ)やFacebook Messenger(フェイスブックメッセンジャー)、中国ではWeChat(ウィーチャット)が中心的なシェアを占めています。
そんな国によって多彩なメッセージアプリですが、Beeperは複数のメッセージアプリを横断して利用できるメッセージ統合アプリで、Beeper Miniはその機能をiMessageとAndroid間のメッセージに特化して切り出したアプリでした。
このアプリによってAndroidとiOSユーザー間の分断をなくすことを中心思想に据えて、AndroidユーザーでもiPhoneユーザーへメッセージを安全に送れることを保証しました。
このリリースに対して、AppleはiMessageにセキュリティリスクをもたらすと主張し、iMessageをアップデートすることで、Beeper Miniの通信を妨害。そのためBeeper Miniはたびたび障害が発生するという事態に陥った結果、Beeper Miniは12月下旬にアプリの運営を断念していました。
Beeperは運営中止と同時に地球上で最高のチャットアプリ開発への意欲を語っており、その後の動向が注目されていました。Beeperを制圧したかに見えたAppleでしたが、その後のAppleを待ち受けていたのはアメリカ司法省からの独占禁止法違反の追及でした。この問題は現在まで続いています。
そんな中、ブログやwebサイト運営ツール「WordPress(ワードプレス)」を運営元するAutomattic(オートマティック)社が、Beeperのスタッフも含めた27人を吸収しました。Bloombergの報道によれば、買収額は1億2500万ドル(約190億円)と報じられています。
メッセージ統合アプリを開発してきたBeeperとWebコンテンツ開発のWordPressでどんな新しいサービスが登場するのでしょうか。もしかするとWordPressから新たなメッセージアプリが登場する日がやってくるかもしれません。
Source: Bloomberg, WIRED, Beeper(1, 2), Apple