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「たこパ」が通じるなんて! イタリアを魅了する「たこ焼き」の謎

  • 2024年3月18日
  • GetNavi web

和食好きな人が多いイタリアには日本食レストランがたくさんありますが、近年では手軽で安価なストリートフード風の店が流行しています。そのなかでも見た目の可愛らしさから大きな人気を集めているのが、たこ焼きです。イタリアで起きている空前の「たこ焼きブーム」について現地からレポートします。

↑イタリアで「たこパ」が広がっていた

 

インターネットやSNSから注目を集めるようになった、安くて気軽に食べられる日本食のストリートフードは、イタリア国内に広がっています。おにぎりやたこ焼き、たい焼き、おでんなど、さまざまな日本食が販売されており、店によっては食べることも持ち帰ることも可能です(どちらも価格は変わりません)。

 

特にたこ焼きは、これまでイタリア人が見たことがなかった「小さくてまん丸」というユニークな形がウケた模様。美食家だけあって、外食や中食として楽しむだけでなく、たこ焼き器を購入して自宅で作ったり、チョコレートを使った甘いレシピを試したりするケースが見られるようになりました。

 

街中でも買えるたこ焼き器

イタリアで売られているたこ焼きは、イタリアに住む日本人や長年日本に住んでいたイタリア人が販売を始めたケースが多いようです。そのせいか見た目や味は日本で食べるものと変わらず、6〜8個入りで価格は4〜8ユーロ(約650〜1300円※)ほど。イタリアではピザも5〜12ユーロくらいなので比較的手ごろな料金といえます。

※1ユーロ=約163円で換算(2024年2月22日現在)

 

たこ焼き器は中華街だけでなく、日本や韓国といったアジア圏の食べ物を売っているオリエンタルショップで購入可能。価格は5000円〜1万円くらいですが、中国製が多く、イタリア製のものはまだありません。本場の日本製を買いたい人は、Amazonなどのネットショップを利用するようです。

 

日本食ブームが続いたためか、数年前に比べて日本の調味料や食材を扱うスーパーも増加。たこ焼きに欠かせないソースも、以前はアジアンスーパーなどでしか売っていませんでしたが、いまではイタリア人が行く一般的なスーパーでも買えるようになりました。小麦粉や卵、タコといった、たこ焼きの食材がイタリアで入手しやすいということも、自宅で作ろうという人が増えた理由の一つでしょう。

 

「たこパ」が職場や家庭に浸透

↑甘いたこ焼き風スイーツも見られるようになった

 

自宅でもたこ焼きを楽しむようになった背景には、イタリア人の国民性もあると思われます。食事を楽しむことが大好きで、家族や親戚、友人が集まり、みんなで料理を作って賑やかに食べる習慣がこの国にはあります。ただ、イタリアに限らずヨーロッパには、日本の鍋や焼き肉のように大人数で同じ皿の物を分け合う習慣がありません。

 

たこ焼き器でワイワイ言いながらたこ焼きを作り、みんなで同じプレートから自分の皿によそうことは、楽しいことを共有するのが大好きなイタリア人にとって新鮮味と特別感があるのでしょう。「たこパ(たこ焼きパーティー)」をするときは、知り合い同士でたこ焼き器の貸し借りさえ行われているようです。

 

また、イタリアでは18時〜22時頃に、お酒と一緒に夕食代わりの軽食を食べる「アペリティーボ(Aperitivo)」という習慣があり、自宅でアペリティーボをする人にとって、たこ焼きは手軽なおつまみにもなっているようです。

 

たこ焼きがイタリア人に愛される理由は、その味付けにもあるかもしれません。ソースやマヨネーズといった、一般的な和食と違う味付けは、ハッキリした濃い味を好むイタリア人の口に合っているようです。タコが入っているので魚介類に合う白ワインと一緒に食べる人も多く、ワイン好きなイタリア人にはもってこいのおつまみと言えます。

 

このように、イタリア人に広く受け入れられつつある、たこ焼き。その人気はしばらく続きそうです。

 

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