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並外れたものばかり?「禁じられた作品」を展示する美術館がバルセロナに誕生

  • 2023年11月17日
  • GetNavi web

これまで世界で生まれた芸術作品の中には、政治的な意味合いが含まれて抗議を受けた物、検問に引っかかって展示が中止された物などがあります。そんな“いわくつきの作品”ばかりを集めた美術館が、スペインのバルセロナに誕生しました。

↑マクジーザス(画像提供/Euronews Culture/YouTube)

 

美術館の名前は、「Museu de l’Art Prohibit」。日本語では「禁じられたアートの美術館」と訳します。その名の通り、収集されているのは、世界中で非難を受けたり抗議を受けたりしてタブーとなった42の作品。

 

例えば、マクドナルドのマスコットキャラクター、ドナルド・マクドナルドが十字架に架けられた『マクジーザス』。元イラク大統領のサダム・フセインにそっくりな人形をホルマリン漬けにした『サメ』。また、「あいちトリエンナーレ2019」で展示され、慰安婦を象徴することから猛反発を引き起こした『平和の少女像』も42の作品の中に含まれています。

 

このような訳ありの作品は、見る人をギョッとさせたり深く考えさせたりするものの、この美術館の存在自体にも賛否両論の声が集まっているようです。

 

この美術館を開いたのは、これらの禁止された作品200点のコレクションを所有しているというカタルーニャの実業家、タチョ・ベネト氏。「ここには(検問アートの)居場所がある」と、同氏はこれらの作品を展示する正当性を主張しています。同美術館を訪れた人の中には「驚いた。並外れたものばかりで、本当に興味深い」「通常なら見られないものを見られることは、良いことだと思う」などと、この美術館や作品について評価している人も少なくないようです。

 

その一方、例えば、写真家のアンドレス・セラーノが自らの尿で容器を満たし、その中に十字架を入れた作品は、フランスで展示された際、何者かに作品が破壊され、米国で展示された際にも大騒動を巻き起こしました。平和の少女像も日韓問題にかかわるだけあって、また物議を醸すかもしれません。

 

なんらかの騒動や抗議を引き起こしてきた作品が再び美術館の中に並ぶことで、どのような結果を招くことになるのか? この美術館に世界が注目しています。

 

【主な参考記事】

France24. ‘Extraordinary’ museum of censored art opens in Spain. October 28 2023

Hindustan Times. Spain’s museum of forbidden art opens, showcasing previously censored works. October 28 2023

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