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六本木の街に恐竜がやってきた。

  • 2023年8月11日
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東京ミッドタウンで開催中の「DinoScience 恐竜科学博 2023@TOKYO MIDTOWN」。数々の貴重な骨格標本や最新技術を駆使した科学的視点による展示によって、生物として恐竜たちが生きた時代、白亜紀後期へと連れていってくれる。本記事では同展示を鑑賞・体験したレポートをお届けしていこう。

 

まず展示場内に入り、大陸の形成や恐竜の誕生と進化を解説するプロローグ映像を鑑賞。続く<発見ラボラトリーⅠ〜科学で紐解く恐竜の世界〜>のゾーンで目に飛び込んでくるのは、ティラノサウルスよりも1000万年近く前の時代、約7500万年前に生息したとされる大型肉食恐竜・ゴルゴサウルス“ルース(RUTH)”の全身骨格標本だ。

 

大きな身体を支えつつ、いかにも躍動的な動きをみせてくれそうな下半身、長く伸びたしっぽ、なんでも噛み砕けそうな口元など迫力満点。ちなみにルースという愛称が付けられるのはそれが特別な存在だという証でもある。

 

1997年に、指や尾の先端なども失われることなくほぼ完全な姿で発見されたルースの化石は、さまざまなことを語りかけてくれる。たとえば脳函内部にある腫瘍、骨折からの治癒による癒合など、標本を隅々まで眺めることでルースがどのような生涯を送ったか思いを馳せることができる。

【↑画像ギャラリー:画像をタップすると本サイトでは拡大表示されます】

 

企画・監修を務めるのはサイエンスコミュニケーターで恐竜イラストレーターの恐竜くん。今回の展示は、白亜紀後期の約1億年〜6600万年前に現在の北米大陸西部に存在した大陸「ララミディア」を舞台に、生態系の一員としての恐竜という存在が解き明かされていく方式だ。

 

この時代の恐竜たちが過ごした楽園・ララミディアの自然環境、共存した生き物たち……網羅するスタイルではなく、絞り込んで掘り下げていく展示が新鮮だ。

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ストーリー仕立てがわかりやすい

「恐竜科学博 2023」で注目したいのが、群れから離れはぐれたトリケラトプスの子どもと一緒にララミディアを歩き、さまざまな生物たちと遭遇していくというストーリー仕立ての演出が盛り込まれている点だ。

 

<白亜紀フィールドツアー〜少年トリケラトプスの冒険〜>のゾーンで展示される成体のトリケラトプス“レイン(LANE)”の3Dデータをもとに再現された幼体骨格は、ちゃんと恐竜でありながら、その小ささがなんともカワイイ!

小型の翼竜やティラノサウルスの幼体も登場したり……小さなトリケラトプスをパートナーとして冒険する感覚にもなれそうだ。

【↑画像ギャラリー:画像をタップすると本サイトでは拡大表示されます】

 

白亜紀の空を飛び回った巨大翼竜ケツァルコアトルスの巨大さにも驚く。

 

海にはモササウルスにエラスモサウルス(幼体の骨格標本は世界初公開)、さらには同時期に棲息したワニやカメも。豊かな自然ではあるが、そこを生き抜く大変さも実感できる。

 

「恐竜科学博 2023」ではアプリ「Locatone(ロケトーン)」を活用した「新感覚音響ガイド」によって、耳から楽しむこともできる(前売700円/税込、当日900円/税込)。

 

「恐竜科学博 2023」の新感覚音響ガイドは、声優・新田恵美さんのナレーションとともに歩くツアー、木村昴さんと恐竜くんの掛け合いで恐竜の知識が学べるツアー、原口あきまささんのものまね満載のツアーなどバリエーション豊かな6つのツアーが用意されている。それぞれ全く異なるアプローチで展示を楽しむことができるため、6回来場してもいいレベルだ。

 

<白亜紀体験シアター〜恐竜たちが生きる世界〜>での映像展示を楽しんだあとに広がる大きなスペースで来場者の目の前に登場するのは、トリケラトプスの“レイン(LANE)”とティラノサウルスの“スタン(STAN)”の骨格標本が向かい合う、ド迫力の展示だ。

スタンは92年に発掘され、最良の標本のひとつとされている。一方2002年に発見されたレインは、ほぼ完全な骨格だけでなく、皮膚化石や最大の特徴であるフリルも伴って発見され、史上最も完全なトリケラトプスともいわれる非常に貴重な存在。姿勢を低くして今にも飛びかからんとするスタンの躍動的な姿もその強さが伝わってくる。

 

「恐竜科学博2023」はこのような動きがダイレクトに伝わったり、追い追われる関係性などが一瞬で分かったりするなど、生き生きとしたポージングが見れるのも見どころ。2体の大きさに圧倒されるとともに、レインやスタンが闊歩する時代、ララミディアの風景を一段とリアルに感じ取ることができる。

 

ワークショップ充実。18時からは「夜版」が楽しめる

開催期間中の18時からは、「ナイトミュージアム」として、展示場内の照明が日中のものから一変し、まったく違った雰囲気で展示を楽しむことができるので、どちらも体験してみたいところだ。

レインとスタンがそびえるゾーンには、レインとスタンを眺めながら食事やスイーツ、お茶やお酒などの飲み物が楽しめるという貴重で贅沢な体験ができるカフェ&バー「CAFE & BAR Dino Terrace LANE & STAN」も併設されている。

恐竜のシルエットをかたどった「恐竜ナゲット」や「骨付きフランク」、そして「魅惑の巣籠り恐竜卵」なんかも気になるところ。そして数量限定の「レイン博士とスタン博士の卵カプセルドリンク」などの飲み物もぜひ試してみたい。

 

さらに今回の「恐竜科学博2023」ではワークショップも常設で開催されており、自分の手で恐竜の魅力に触れることもできる。

 

プレートの中に埋め込まれた化石を木槌などを使って自分の手で掘って発見する「トレジャーハンター・発掘体験!」や、実物の化石を用いてガラスボトルの中化石をディスプレイする「BHI保証書付き恐竜化石ダイナソーボトル」、恐竜の頭骨・スカルヘッドをかたどった手のひらサイズのミニチュアに自由な彩色をしたりすることもできる(※)。

※:参加費用や推奨年齢があり。混雑時には参加できない場合も

 

期間限定の「世界にひとつだけの恐竜化石キーホルダー」やコースターを作ったり、恐竜の刺繍をつくることができるワークショップも用意されている。

実際に発掘体験に挑戦したところ、ウミユリの仲間の化石をゲット! 発掘した化石は持ち帰ることができる。プレートが割れ、断面に埋まった化石の一部がチラリと見えた瞬間の興奮、ぜひ味わってもらいたい。

 

2023年夏。東京のど真ん中、東京ミッドタウンで白亜紀後期の恐竜の世界、ララミディア大陸へ、旅してみるのはどうだろうか。

 

『DinoScience 恐竜科学博 2023@TOKYO MIDTOWN』
会期:2023年7月21日(金)〜9月12日(火)
会場:東京ミッドタウン・ホール
(東京都港区赤坂9-7-2)
「六本木駅」都営大江戸線 直結・東京メトロ日比谷線 地下通路より直結
企画・監修:恐竜くん(田中 真士)
(※チケット詳細は公式サイトへ)

 

文/太田サトル

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