いまや身近な店でも買えるようになった、ジンの缶チューハイ。酒好きの編集者とライターが、人気商品を飲み比べて語り合った。
【試したのはこの2人!】
フードライター・中山秀明さん
ジンは、暖色の和柑橘と山椒系を使ったものが好み。勝負時の割り材は、ロンドン生まれの新興銘柄「フィーバーツリー」。
「GetNavi」フード担当・鈴木翔子
2年前からクラフトジンにハマり、収集中。最近のお気に入りは「橘花ジン」に苺を加えた「朱華」という銘柄。
中山 キリンの「杜の香」のデビューは去年の夏。まだ新ジンの部類ですが、なかなかチャレンジングで限定フレーバーを連発しています。ジンジャーは、昨秋のジントニックに次ぐ限定味の第2弾。
鈴木 ジンジャーエールが予想以上にドライで酒好きにも◎。ソーダのほうは、よりハーバルかな。どちらもボディに厚みがあって、飲み応えがありますね。ソーダは、2月のリニューアルで、口の中に広がるジュニパーベリーの香りの余韻が長くなった気がします。
中山 グリーン調の面影に、ほのかな甘みとクリーミーなニュアンスが◎。ジンジャーはしょうがだけでなく、青いベリー系のジューシーさも感じます。
【飲み比べ01】ジュニパーベリー100%のジンを使った贅沢なジンカクテル
キリンビール
KIRIN Premium
ソーダ 杜の香(左)/ジンジャー 杜の香(右)
実売価格各:190円どちらもジュニパーベリー100%のジン「杜の香」を使用。ソーダはレモンとライムが香る爽快な味。限定はカクテル「ジンバック」をイメージ。
鈴木 「LAST」は飲み口こそ軽快ですが、香りがエレガント。これも去年の11月デビューと、比較的新しい商品なんですね。
中山 クラフトジンのスタートアップによる初の缶商品です。ラベンダー調の華やかさと、酒かす的な甘くまろやかな風味が個性的ですね。酸味はやさしく、酸っぱくはないものの、すっきりとしたタッチ。個性的ですね〜。
【飲み比べ02】世界を驚かせたクラフトジンがベースのエレガントな味
エシカル・スピリッツ
LASTジンソーダ
実売価格:297円国際酒類品評会「IWSC2021」で最高金賞に輝いた「ラストエレガント」がベース。首都圏のスーパーや酒販店などで販売中。
鈴木 そしてトレンドの火付け役、「翠ジンソーダ缶」。昨年末にリニューアルしました。
中山 和素材を中心としたボタニカルの表情もありながら、とにかくクリアでキレも十分。甘みのない辛口ですが、香りが豊かでエントリーにもぴったりですね。
鈴木 ジンの存在感はありながらも軽やかで飲みやすく、ジンビギナーにいいですね。食事を邪魔せず、食中酒として飲みやすい瑞々しい味わいです。
【飲み比べ03】市場の旗手は柑橘香がアップし、より清々しい味に
サントリー
翠ジンソーダ缶
実売価格:200円ゆず、緑茶、しょうがが特徴的なジン「翠」をベースに、缶専用に設計。今春、ブランド全体で柑橘香を強化し、より爽快な味に進化した。
中山 最後は「GINON」を。23年3月に東北エリアで先行デビューし、好評を受けて昨春、全国発売しました。ボタニカルより柑橘を前面に押した“ジンサワー”というブランディングも特徴です。
鈴木 今回のなかでは一番キレを感じるかな。レモンもグレープフルーツも、柑橘のキリッとした味が効いてますね。揚げ物など、油っこい料理に合いそう。
中山 無糖レモンサワーのベースをジンに置き換えたような印象で、ジン由来のハーバル系の苦みに加え、レモンピール的な苦みも。ジンに興味を持っているレモンサワー好きに特にオススメですね。
鈴木 ガツンとした爽快なジンのカクテルを飲みたいときにピッタリ。キンキンに冷やすと、よりポテンシャルを感じられそうです。
【飲み比べ04】柑橘果実由来の爽やかな風味が引き立つフルーティなサワー
アサヒビール
GINON
実売価格:168円レモンピールやレモングラスなどの果皮をとけ込ませて蒸留し、香り付けしたジンを使用。味は、レモンとグレープフルーツがある。
中山 ここまで飲み比べて、全体の感想としてはどうですか?
鈴木 改めて味の幅が広いなと。成城石井やトップバリュなどのPBでも缶商品が出てますし、さらなる盛り上がりに注目ですね!