【そこに行けば、尾道が見える】この春開業のホテル・尾道倶楽部は尾道を一望、尾道観光の拠点に

  • 2025年5月17日
  • CREA WEB

尾道倶楽部から望む尾道市街。

 古くから人が行き交い、海運、陸運ともに、交通の要所として栄えてきた広島県尾道市。「北前船」がもたらした富によって整備された街並みは、西の小京都とも称され、多くの人々を魅了してきた。

 尾道水道沿いを臨む夜景も坂の街・尾道を訪れたなら堪能したい景色のひとつ。そんな絶景を臨む、尾道随一の眺望を誇るホテルがこの春、誕生した。その名も「尾道倶楽部」。

 そこは、上質でありながら、交通の要所・尾道らしく多くの人々が集う、快適さに満ちたホテルだった。

長年地元に愛されてきた千光寺山荘が世界中の人を招き入れる宿へリニューアル


尾道の市街地からは車でおよそ10分。街を見下ろす丘に尾道倶楽部はある。

 尾道倶楽部は尾道駅や新尾道駅からは車でおよそ10分、千光寺のすぐ近くの丘の上に佇んでいる。元々は千光寺山荘として60年以上、地元に愛されてきた宿だが、コロナ禍の影響もあり、2024年に営業を断念。

 尾道の象徴を残そうと、瀬戸内の魅力を活かした観光地造成に取り組む(株)瀬戸内ブランドコーポレーションと放送作家としても知られる小山薫堂氏などが手を挙げ、多くの人に愛されるホテルへと2025年3月31日にリニューアルした。

コンセプトは「尾道を目に宿す、宿。」


ふと、窓の外に目をやれば、尾道の人々の足、渡船が目に入る。

 宿のコンセプトは「尾道を目に宿す、宿」。

 尾道水道の流れに沿って発達した、尾道ならではの街並み。商人たちによって守られてきた寺町。坂道や小道が行き交う、どこかほっとするような風景。今となっては懐かしいけど新しい景色を目に宿し、そして心に刻み付けてほしい、というメッセージが込められている。


コンセプトを象徴するように、ホテルの中には尾道の“街並み”が写真で展示されている。

古くから愛されてきた旅館の風情をそのまま残した内装もうれしい。

 コンセプトを象徴するように、宿の中には客室内を含め、フォトグラファーの写したさまざまな風景が展示されている。「ああ、あの風景だ」と旅路を振り返ったり、まだ見ぬ尾道の風景を探しにいくきっかけにしたり。尾道探索の拠点にふさわしい。

全6タイプの客室はバラエティ豊か。目的によって選んでみよう。


窓辺に小上がりがあるコンフォートフォース。4人まで宿泊できる。

 客室はエコノミーツイン、スタンダードツインをはじめ、家族やグループでの利用にぷったりのコンフォートフォース、尾道水道に面した大きなバルコニーが魅力のクイーンベッドルーム、客室内に自転車を掛けられるバイクハンガーを用意した、尾道ならではのサイクリストエコノミー、そして2面の窓から尾道水道を一望できるホテル名を冠した尾道倶楽部スイートの全6タイプ。

クイーンベッドルーム


クイーンベッドルーム。

プライベート空間で、尾道の風景を楽しむことができる。

サイクリストエコノミー


サイクリストなら是非とも泊まりたい一室。

 尾道らしさを感じるユニークなお部屋がサイクリストエコノミー。2部屋のみとなっているが、海外からの観光客を中心に、人気の一室だという。多島美を堪能しながら自転車に乗れるしまなみ海道のサイクリングはサイクリストの憧れ。尾道倶楽部を経由地にしてサイクリングを楽しむのもいいだろう。

尾道倶楽部スイート


大きな2面の窓からは尾道水道が一望できる。

尾道水道をひとり占め。

 贅沢に楽しみたいなら、やはり尾道倶楽部スイート。

 広さや快適さは言うまでもなく、何といってもその眺望に圧倒される。大きく開かれた窓からは尾道の街並み、暮らしが一望できるのだ。行き来する渡船、車、そして日没後の夜景。その日の旅の締めくくりにふさわしい。

 部屋にはかなりしっかりとしたデスクもあるので、旅の思い出をしたためるのも良いだろう。尾道の街に滞在しながら、作家気分でリモートワーク、なんていうのも贅沢だ。

夜は尾道倶楽部に籠る。尾道の醍醐味が詰まったおもてなしを堪能しよう


ディナーコースの魚のメイン料理「尾道ブイヤベース」。

 昼間は尾道市や瀬戸内を散策して、夕方には眺望のいい尾道倶楽部に籠る。尾道に来たならそんな楽しみ方をしてほしい。夜景、ゆったりとした客室はこれまで紹介した通りだが、尾道倶楽部の食事も見逃せない。


コースの最初に提供される尾道倶楽部スープ。尾道の魚介を使ったスープにショウガを効かせた、これからの食事が楽しみになる一品だ。

 レストラン「YUKAI」では広島県産の食材や瀬戸内の魚介・地元で採れた野菜やハーブなどを使った創作料理を提供。山間地域から沿岸地域、そして海と多様な自然に恵まれた尾道の美食を味わうことができる。


前菜5種、右上から時計回りに煮穴子と湯葉、尾道野菜のディップ、鮮魚のマリネ、小魚のエスカベッシュ、鯖のリエット。

瀬戸のフルーツサラダ、ヨーグルトヴィネグレットと。

瀬戸牡蠣のもち粉揚げ。

瀬戸内牛のロティ。

土鍋で焚き上げた牡蠣めし。

瀬戸内らしい柑橘が入ったフルーツをはじめ、3種のデザートが提供。

 瀬戸内牛の味わいの豊かさや地物の野菜の味の濃さに感嘆。しかし、やはり瀬戸内に来たなら味わっておきたいのが、魚介。瀬戸牡蠣をたっぷり使った牡蠣めしとスペシャリテである尾道ブイヤベースは滋味深く、尾道を体現するようだ。


朝食はお膳スタイル。こちらも広島の食材をふんだんに使用している。

尾道旅の締めくくりは極上のルーフトップバーで


ルーフトップバーからの眺めは尾道倶楽部の中でも屈指。

 尾道の味を堪能したら、締めくくりには宿自慢のルーフトップバーへ。

 尾道倶楽部スイートと同様に開けたそのバーからは、尾道の夜景が一望できる。天気の良い日には、夜風にあたりながら、尾道らしいカクテルを味わうのはいかが。


瀬戸内の柑橘がギッシリ。もちろんカクテルで味わうことができる。

夜景を観ながらのカクテルは格別。

 レストランだけでなく、このルーフトップバーでも尾道らしさに満ちた味わいを堪能することができる。


尾道レモンサワー 1,210円。

 バーテンダーの寒川悠太朗さんが「ここに来たら是非飲んで欲しい」と話すのが広島県呉市のクラフトジン瀬戸内―檸檬―と瀬戸田レモンを余すことなく、丸ごと1個使った尾道レモンサワーだ。

 皮にえぐみがなく、酸味が出すぎない瀬戸田レモンを使ったレモンサワーは食後のひとときを始める1杯にもふさわしい。


オリジナルカクテルのカーテンアップ 1,100円。

オリジナルカクテルの8mm 1,100円。

 シグネチャーは2種類。

 尾道倶楽部のリニューアルオープンを飾る「カーテンアップ」はオールドトムジンとピーチリキュールなどを使ったカクテル。猫の街・尾道にあやかって、ボトルに猫が描かれているオールドトムジンを選んだのだとか。

 もうひとつのシグネチャー「8mm」も尾道にちなんでいる。多くの映画のロケ地となったことから着想し、クラシックカクテル「チャーリーチャップリン」をツイストした逸品だ。どちらも飲みやすいが度数が強いので、飲みすぎには注意。

 尾道周辺のジンだったり、ウイスキーなどこれからどんどん増やしていく予定と寒川さんは意気込む。ルーフトップバーやレストランのランチでは、宿泊者以外でも利用することが可能。もし他のホテルに滞在をしていても、是非足を運びたいスポットだ。

自分が見た尾道の光景が絵ハガキになる。ユニークなレタールームのサービスも


エントランスの奥、専用スペースが用意されているレタールーム。

 尾道倶楽部には他にもさまざまな滞在する理由が。

 レタールームでは、自分が撮った尾道の写真をハガキ印刷し、その場から郵送できるサービスを利用できる。さらに、過去に泊まった宿泊者とやりとりをしたり、これからの宿泊者におすすめスポットを伝える手紙を送ったりできるポストも設置。人が行き交う尾道らしい取組みだ。


スーベニアショップ。今後さらに広島の商品を拡充していくという。

「SEN COFFEE」と名付けられたロビーのカフェでは、尾道ならではのスイーツやバリスタが淹れるオリジナルコーヒーが楽しめる。

 尾道の魅力が詰まった尾道倶楽部。観光の拠点にも、尾道そのものにじっくり浸る、籠る滞在にもふさわしい新しいホテル、この次の旅の目的にしてみては。

尾道倶楽部

所在地 広島県尾道市西土堂町15-20
電話 0848-29-9206
宿泊料 1泊1名19800円〜(税・サービス料込)
営業時間 ルーフトップバー/17:00〜23:00(L.O.22:30)
カフェ「SEN COFFEE」/10:00〜17:00(L.O.16:30) ※毎週水曜・木曜定休 (祝日の場合は振替営業)
ランチ レストラン「YUKAI」/11:00〜14:00(L.O.13:30) ※毎週水曜定休 (祝日の場合は振替営業)
スーベニアショップ/8:00〜22:30
https://onomichi-club.jp/

文=CREA編集部

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