キム・ナレさんが新著『一汁一飯 韓定食』(グラフィック社)で教えてくれたのは、一般的に知られるような辛くて刺激の強い韓国料理ではなく、やさしい味わいで身体を整える韓国の家庭の味。
そして、作りやすいことを最優先し、忙しいときは「汁物とごはんさえあればいい」と言い切るナレさんが提案する「一汁一飯」の献立を収録した同書より、一部レシピを抜粋してお届けします。
旬の食材やシンプルな調味料で作る汁物は、身体にやさしく染み込みます。スタミナ不足、野菜不足、胃腸が疲れているときなど、私がよく作る汁物を紹介します。
夫からのリクエストの多い、月に2回は作る我が家の定番です。牛肉でごちそう感があり、夜食として食べても胃に負担がありません
・牛肉(薄切り):150g
・大根:6〜8cm(100〜150g)
・煮干しだし〈※下記参照〉:500ml
・薄口醤油:大さじ1/2
・えごま油:大さじ1
・塩:適量
(1)大根は縦3等分にして5〜7mm幅に切る。牛肉はペーパータオルで血をふき取り、食べやすい大きさに切る。
(2)鍋にえごま油を引き、中火で牛肉を炒める。牛肉の色が変わったら薄口醤油を加えてさっと混ぜる。
(3)大根を加えてさっと炒め、煮干しだしを加える。
(4)沸いたらアクを取り、蓋をして弱火で15分ほど煮る。味を見て、塩で味を調える。
※煮干しだしの取り方
■材料(作りやすい分量)
・煮干し:20g(正味)
・昆布:2g(5cm長さ)
・みりん:大さじ1/2
・水:600ml
■取り方
(1)煮干しは頭を取り、腹ワタを取って半分に割く。頭は2番だしとして使い、腹ワタは捨てる。昆布は表面をさっと濡れたフキンでふいて汚れを取る。
(2)鍋に煮干しを入れて中弱火(弱火と中火の中間)で炒る。
(3)生っぽい匂いから香ばしい香りに変わったら、昆布と分量の水を加えて沸くまで中火にかける。
(4)アクを取り、みりんを加えて蓋をして弱火で15分ほど煮る。火を止めて常温になるまでそのまま冷まし、ザルで濾す。冷めたら清潔な保存瓶に入れる。冷蔵庫で3〜4日保存可能。
ヘルシーな飲食店では必ず置いてある栄養ごはん。栗のほか、かぼちゃやさつまいもを銀杏とともに炊き込みます。好みで塩をふりながら食べても美味しいです。
・栗:2個
・銀杏:5〜6粒
・なつめ:1個
・米:360ml
・水:390ml
・米は研いで10分ほど水に浸し、ザルに上げて20分置く。
(1)栗は15分ほど熱湯にさらす。
(2)栗の皮と鬼皮をむき、半分に切る。銀杏は殻から取り出し、薄皮をむく。なつめは洗う。
(3)鍋に米、栗、銀杏、なつめ、水を入れて強火にかけ、沸騰したら蓋をして弱火で11分ほど炊いて火を止める。
(4)10分ほど蒸らし、なつめを取り出す。種を取り除いてごはんに戻し入れ、よくかき混ぜる。
キム・ナレ
料理研究家、韓国・仁川出身。韓国料理をベースに、日本と西洋の料理を学んだバックグラウンドを交えて独自の料理世界を展開する。体にやさしい、穏やかな味わいの料理が注目を集めている。毎月開催の料理教室も人気。現在、4歳児の子育て真っ最中。
https://www.kimnare.com/
『一汁一飯 韓定食』
定価 1,870円(税込)
グラフィック社
この書籍を購入する(Amazonへリンク)
著者=キム・ナレ
撮影=平松市聖(人物のみ)