日本が誇る四季折々の魅力に迫る季節の絶景特集。まだ知られざる四季折々の表情を見せてくれる日本の風景に改めて魅了されたという人も多いはず。
今回は、岩手県が誇る春の絶景・風物詩をピックアップ。
日本の各地に息を呑むような素晴らしい景色が広がっています。これからの旅の参考にどうぞ!
平泉・藤原氏初代清衡の孫、樋爪太郎俊衡が建立した樋爪館跡の南にある五郎沼。
沼のほとりに植えられた桜が水面に映る様子は、辺り一面をピンク色に染め上げ、訪れた人を魅了する。
7月には駐車場隣の蓮池で、中尊寺で泰衡の首桶から見つかった種を復活させた古代蓮(中尊寺ハス)が美しい花を咲かせる。
沼を一周する約1キロの散策コースでは、五郎沼経塚跡や指定文化財の箱清水石卒都婆群などを巡ることもできる。
五郎沼の桜(ごろうぬまのさくら)
所在地 岩手県紫波郡紫波町南日詰字箱清水
https://iwatetabi.jp/spots/5715/
岩手県平泉にある毛越寺は、平安時代の優美な浄土庭園に四季折々の花が彩る国の特別史跡、特別名勝に二重指定された古刹。
「曲水の宴」は、平安時代の優雅な宮中行事を再現したもので、2024年は5月の第4日曜日に行われる。
平安貴族の装束を纏い、古式ゆかしい催庭園の遣水(やりみず)に盃を浮かべ、その流れに合わせて和歌を詠む光景は、平安時代へタイムスリップしたかのよう。王朝絵巻さながらの雅な光景を今に伝えている。
2025年については曲水の宴の会場となる“遣水(やりみず)”中流部での発掘・修繕工事を実施するため、開催中止となる予定。また再びこの光景が見られる日が待ち遠しい。
毛越寺曲水の宴(もうつうじ ごくすいのえん)
所在地 岩手県西磐井郡平泉町平泉大沢58
https://hiraizumi.or.jp/event/gokusui.html
日本百景のひとつに数えられている名勝・猊鼻渓は、砂鉄川沿いに50メートルを超える高さの岸壁が2キロにわたって続く渓谷。
1本の竿のみを使い、川を90分かけて往復する舟下りは日本でここだけ。そそり立つ岩肌に、クライマックスで船頭が唄う「げいび追分」が響き渡り、何とも言えない旅情を高めてくれる。
新緑のシーズンは茶席舟を楽しめる。特に5月下旬は藤の花が美しい季節。穏やかな舟下りなので、数奇な岩々のダイナミックさや新緑のみずみずしさをゆっくり堪能できる。
猊鼻渓の舟下り(げいびけいのふなくだり)
所在地 岩手県一関市東山町長坂字町467
http://www.geibikei.co.jp/funakudari/route/
豊かな自然に恵まれた花巻温泉。広大な敷地内には、自然に囲まれ、ベーカリーショップやカフェ、体験型施設が並びホテル近くで楽しめる。
春は、花巻温泉郷のあちこちで桜並木が続き、華やかな雰囲気に包まれる。少し季節が進んだ5月下旬頃からは、見ごろを迎えるバラ園を訪ねてみて。約5,000坪の広大な敷地には、この庭園で品種改良され新品種として認定されたバラや、花巻がふるさとの宮沢賢治が設計した日時計花壇などビュースポットがたっぷり。
最盛期には450種6,000株の世界のバラが園内を埋め尽くす「花巻温泉バラまつり」は毎年5月下旬〜7月上旬にかけて開催される。色とりどりのバラを一度に満喫できるチャンスをお見逃しなく。
花巻温泉のバラ園(はなまきおんせんのバラえん)
所在地 岩手県花巻市湯本1-125
https://www.hanamakionsen.co.jp/rose/
「展勝地」という名前は、陣ヶ丘からの眺めが素晴らしさから展望のきいた名勝・景勝の地という意味で名づけられた。
北上川の河畔にある北上展勝地は、東北有数の桜の名所。広大な敷地内には150種約1万本の桜が植えられており、川沿いに立ち並ぶ樹齢90年以上のソメイヨシノが満開になると、華やかな桜のトンネルができる。
北上川沿いを2キロに渡って見事な桜並木が続く、「日本さくら名所100選」や「みちのく三大桜名所」に選ばれているスポット。
毎年春にはさくらまつりが行われ、川の両岸に架かる鯉のぼりや夜桜のライトアップなどが、訪れる人々を魅了する。
開催期間:2025年4月9日(水)〜4月29日(火・祝)
北上展勝地さくらまつり(きたかみてんしょうちさくらまつり)
所在地 岩手県北上市立花
https://iwatetabi.jp/events/8399/
岩手県最南端の藤沢町の高原にある館ヶ森アーク牧場は、約100ヘクタールの牧場で動物たちと触れ合い、命と自然のすばらしさを体感できるスポット。ビュッフェスタイルのレストランや自社一貫生産の「館ヶ森高原豚」、自家生産の小麦から作るパンなどが販売されたファームマーケットは、この春リニューアルされたばかり。
あちこちにあるフラワーガーデンは、四季折々の表情を見せる。4月中旬以降は、夢見ヶ丘ガーデンで約1ヘクタールの敷地に赤や黄色のチューリップが一面を埋め尽くす。
「イースター&フラワーフェスティバル2025」では、「たまご」にちなんだイベントが充実。特に産みたての卵を収穫する「たまごひろい体験」が人気。
イースター&フラワーフェスティバル2025
開催期間:開催中〜2025年5月25日(日)
館ヶ森アーク牧場のチューリップ(たてがもりアーク牧場のチューリップ)
所在地 岩手県一関市藤沢町黄海衣井沢山9-15
https://www.arkfarm.co.jp/farm/event/16398/
奥羽山脈の麓に位置し、豪雪地帯でもある西和賀町。
雪が消える4月からいろいろな花が一斉に咲き出し、春の訪れを知らせてくれる。
4月中旬に見頃となる安ヶ沢カタクリ群生地では、雪が残る奥羽山脈の山々を背景にピンク色のカタクリと桜が見事に咲き誇る。
雄大な山々と可憐な花々のコンビネーションは、息を呑む美しさ。
安ヶ沢カタクリ群生地(やすがさわカタクリぐんせいち)
所在地 岩手県和賀郡西和賀町沢内字川舟39地割地内
http://www.yamanoideyu.com/nature/article.php?p=49
宮古市にある長沢川桜づつみ公園は、長沢川の右岸を特定河川環境整備事業により整備し造られた河川堤防公園。
2.5ヘクタールの面積にソメイヨシノ219本、オオヤマザクラ35本、八重桜36本、ヤマザクラ4本、合計294本の桜が植えられていて宮古市の新しい桜の名所になっている。
ソメイヨシノは4月中旬から下旬に満開になる。ほかにもサツキやドウダンツツジなども植えられ、市民の憩いの場になっている。
長沢川の桜づつみ(ながさわがわのさくらづつみ)
所在地 岩手県宮古市田鎖第6地割
https://iwatetabi.jp/spots/5120/
小岩井農場がある雫石町では、町内数カ所に菜の花が植えられており、毎年5月中旬頃に一斉に見頃を迎える。「菜ノテクノロジープロジェクト」として菜の花が植えられていてここで栽培された菜の花から採れたなたね油は「菜の雫」として販売れる。
青空の下に広がる黄色い菜の花と雪解けの岩手山は、写真に収めたくなるような絶景。
菜の花畑が広がるスポットは町内で毎年異なるという。毎年違った風景を楽しむことができるのも魅力的。
雫石町の菜の花畑(しずくいしちょうのなのはなばたけ)
所在地 岩手県雫石町内
https://iwatetabi.jp/spots/66970/
霞がかっているように見えることから「カスミザクラ」という名前が付けられたそう。
荒々しい岩手山と可憐なカスミザクラのコントラストが素晴らしい、知る人ぞ知る名スポット。
途中では放牧されている牛を見かけることもでき、のんびりした空気に心癒される。
見ごろは5月中旬以降。見納めの桜を鑑賞しに訪ねてみては。
上坊牧野の一本桜(うわぼうぼくやのいっぽんざくら)
所在地 岩手県八幡平市松尾寄木第1地割
https://iwatetabi.jp/spots/5865/
文=CREA編集部