サイト内
ウェブ

京都で干支の龍を訪ねて、アートな襖絵やおみくじに新年の幸せ祈願♪

  • 2024年1月1日
  • ことりっぷ


今年の干支は、勇ましくて、ちょっぴり怖いイメージもある龍。京都では、昔から都を護ってくれる聖なる生きものとして崇められてきました。今でも、寺院では龍の襖絵や天井画をよく見かけます。また、狛犬ならぬ狛龍のいる神社では、かわいい龍がデザインされたおみくじで新年の運試しを。このお正月の初詣は、龍がいる京都の社寺をめぐってみませんか?
新年の龍めぐりは、「京の冬の旅」で特別公開される「相国寺 光源院」からスタート。お寺へは、京都駅から地下鉄で約10分の今出川駅で下車、東へ歩くこと約5分で到着します。
光源院という名は、室町幕府13代将軍の足利義輝にちなみます。義輝は剣豪と呼ばれるほど武芸に優れた将軍でした。さぞ勇ましい龍に会えるのだろうと思いつつ本堂に足を踏み入れると、そこには、干支の動物たちが勢ぞろいしたやさしいタッチの襖絵。また、本堂南には、石で十二支を表現した庭も広がります。
さらに、別の部屋には2021年に奉納された新しい襖絵も。穏やかな日本の原風景が広がるなかに、枝いっぱいに花を咲かす桜の大木。ほかに『風雷坊』『夏秋冬』と題された襖絵も部屋を飾ります。
ここでは、ぜひ細部にまで目を凝らしてみましょう。桃太郎や笠地蔵など日本の昔話や、西遊記などの登場人物が絵に潜んでます。宝さがし感覚で鑑賞してみると面白いかもしれません。
相国寺 光源院で襖絵を楽しんだ後は、オーソドックスな龍の待つ「建仁寺」へ。市バスに乗り、同志社前から祇園へ約25分。賑やかな花見小路の南端にその境内が広がります。
中国から日本にお茶の文化を伝えた栄西(ようさい)禅師が、鎌倉時代に開いた京都でもっとも古い禅寺である建仁寺。その方丈では、雲の間から現れた2匹の龍が睨みをきかせます。この部屋は、かつて建仁寺を訪れたお客が最初に通される待合室。鋭い龍の視線に身がすくみそうですが、それがこの部屋に龍を描いた狙いなのだとか。
また、法堂の天井には、建仁寺の開創800年を迎えた2002(平成14)年に描かれた龍たちが。実はこの法堂というのは修行僧が仏さまの教えを学ぶ場所。龍たちは、ここでお釈迦様とその教えを守っているのです。
1頭は口を開け、もう1頭は口を閉じた阿吽(あうん)の形。108畳分にもなる大きな和紙に描かれた天井画は、その迫力に圧倒されるほど。見応えも十分ですよ。
祇園でランチを楽しんだら「泉涌寺 雲龍院」へ。市バスで、祇園から泉涌寺道へ約25分。泉涌寺の塔頭が立ち並ぶ参道を奥へ奥へと進み、泉涌寺の大門を通り過ぎたさらに先で、静かに迎えてくれるのが雲龍院です。
古くから写経の寺として知られており、写経道場にもなっている本堂の龍華殿(りゅうげでん)の襖絵『双龍風雷図』が、「京の冬の旅」で特別公開されます。そこには、ユーモラスな表情で両手に玉を持った龍が、雲を切って飛翔するスピード感あふれる姿が。2頭の龍の間には、悟りを意味する〇と般若心経も描かれています。
「悟り」の円窓と「迷い」の四角い窓のある書院、横に並ぶ4つの窓から庭園を眺められる「蓮華の間」などがあり、境内の風景を静かに愛でることもできます。
また時間があれば、ぜひ写経(1500円)の体験も。江戸時代に後水尾天皇から寄進された写経道具が今も使われ、書き写す際には朱の墨を使う独特のスタイルです。最後は、お抹茶(写経体験料に含む)で一服してお参りを終えましょう。
京都の龍めぐりの最後は「伏見神宝神社」へ。泉涌寺 雲龍院からは、JR奈良線で東福寺駅から稲荷駅へ約2分。伏見稲荷大社の千本鳥居を抜け、根上の松の前の道しるべに沿って山道を進むと、竹林の先にたたずむ古社が見えてきます。
鳥居をくぐると、右に天龍、左に地龍。2頭の龍が空を仰ぎ、天照大御神と稲荷大神、そして社名の由来にもなっている十種の神宝がお祀りされているお社を護っています。伏見神宝神社の歴史は古く、本殿裏には磐境(いわさか)と呼ばれる、太古の昔に神様が降りられた石があります。
初詣ということであれば、やはり今年がどのような年になるかが気になるところ。こちらの龍みくじは少しゆるい感じがかわいいのですが、よく見ると風にひげをなびかせ、鱗の1枚1枚までが浮き彫りされているという手の込んでいるもの。金色に輝く体の中におみくじが入っています。
京都の龍は、勇ましいもの、ユーモラスなもの、そしてかわいいおみくじまで、その表情はさまざま。一年の最初にお参りをすれば、自由に空高く飛べる龍にあやかって、さらなる飛躍が期待できそうですね。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 1996- 2024 Shobunsha Publications All Rights Reserved.