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有名な「出世の石段」を上ってお参りを♪ 愛宕山の上に立つ「愛宕神社」へ

  • 2023年10月23日
  • ことりっぷ


東京23区で一番高い天然の山・愛宕山。その山頂に鎮座するのが「愛宕神社」です。かつては、東京湾や房総半島まで見渡すことができたという境内へは、「出世の石段」といわれる急な男坂か、緩やかな女坂を上ってお参りを。神社に伝わるエピソードもあわせて、「愛宕神社」の魅力をご紹介します。
虎ノ門や新橋にほど近い東京の真ん中に、愛宕山という標高約26mの小高い山があります。今では、近くに立つ東京タワーや虎ノ門ヒルズをはじめ、周辺の建物に追い抜かれてしまいましたが、東京23区で一番高い天然の山で、かつては東京湾や房総半島まで見渡すことができたそうです。
「愛宕神社」はその山頂にあって、1603(慶長8)年、徳川家康の命によって、防火の神様として祀られたのが始まり。江戸時代の大火災や関東大震災、東京大空襲という悲しい出来事に見舞われましたが、氏子の寄付によって再建され、今でもたくさんの人々がお参りに訪れる神社です。
立派な大鳥居をくぐると、「出世の石段」とも呼ばれる男坂の、見上げるほど急な階段がそびえています。右側には迂回して上れる緩やかな女坂も。
江戸時代から、たくさんの人が同じように階段を上って参拝していたと思うと胸が熱くなりますね。
男坂は見上げるほど急なうえに86段もあって、上るのにかなりな体力を使うほど。そんな男坂を一番上まで上ると、ねぎらうように迎えてくれるのが一の鳥居です。
その先の参道を進むと、立っているのが「丹塗りの門」といわれる神門。石の素材そのままの一の鳥居と対照的な鮮やかな朱色と金色が目を引きます。
そして、手水舎(てみずや)でお清めをして神門をくぐると、いよいよ社殿が現れます。二礼二拍手一礼――お参りをすると、心が穏やかになって背筋が伸びるようです。
お正月や毎月1日、15日、24日の月次祭の際には、本殿の正面の御扉が開かれるので、それにあわせて行くのもいいですね。
「出世の石段」と呼ばれる男坂にはこんな伝説があります。
1634(寛永11)年、徳川幕府の第3代将軍・家光が増上寺を参詣した帰りに、愛宕山の前を通りました。その時、山頂の「愛宕神社」に咲く満開の梅を見て、馬で梅を取ってくるよう命じましたが、家臣たちは急な階段坂に尻込み…。
その時、曲垣平九郎(まがきへいくろう)という四国丸亀藩の家臣が、馬に乗ったまま坂を駆け上り、見事、梅を取って家光に献上しました。家光は平九郎を「日本一の馬術の名人」と讃え、この坂は「出世の石段」と呼ばれるように。
石段を上ってお参りをすると、出世や商売繁盛などのご利益があると知られるようになりました。
実際に男坂を上ってみると、これを馬で駆け上ったなんて、すごい勇気だと驚かされます。また、9月に行われる大祭では、隔年でなんとお神輿が上り下りするそう。
幣殿には曲垣平九郎が描かれた凧が、境内には平九郎が手折ったという「将軍梅」があって、今もこのエピソードを身近に感じられます。
社務所では、お守りや絵馬、おみくじを扱っています。
「紅白だるまみくじ」というおみくじは、赤と白の愛らしい木製のだるまで、中におみくじが入っているいう珍しい形です。
ほかにも、「招き石」という石が境内にあって、この石をなでると福が身につくと言われています。なんだか、子犬が後ろ足で立ち上がったようなおもしろい形ですね。
夏になると登場するのが「梅ソーダ」です。使われているのは、境内にあるあの「出世梅」の梅。肉厚で甘酸っぱく、おいしく育っています。ご利益まで一緒にいただけそうですね。
また、境内には鯉のいる池があったり木々が茂っていて、散策も楽しめます。境内にすんでいる、しずくとつゆという2匹の白い猫に出会うことも。
「愛宕神社」は東京の真ん中とは思えない、季節ごとの表情豊かな自然が感じられるスポットです。自分の足で実際に「出世の石段」の男坂を上ってお参りしてみませんか。

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