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横須賀からチョコレートと焼き菓子の魅力を発信する「Pâtisserie m²」

  • 2023年7月24日
  • ことりっぷ


三浦半島に位置する港町・横須賀に、2023年5月にオープンした「Pâtisserie m²(パティスリー エムニジョウ)」。カカオ豆から作る自家製のチョコレートを使ったクッキーなどの焼き菓子や、ボンボンショコラなどを販売しています。手みやげや自分へのご褒美を目的に、横須賀散策の合間に立ち寄ってみませんか?
京急本線・県立大学駅と横須賀中央駅の間にある「Pâtisserie m²」。落ち着いたトーンに木目の扉、店内の様子が伺える大きなガラス窓が印象的で、つい足を止めて中へ入りたくなります。
カウンターにズラリと並ぶのは15種類ほどの焼き菓子やショコラ。これらはビーントゥバーと呼ばれる自家製のチョコレートが使われています。ビーントゥバーとはカカオ豆からチョコレートになるまでの工程を自社工房で一貫して行うことを指し、チョコレートの新しい形として近年注目されています。横須賀では初となるビーントゥバーのチョコレートの店というだけあって、さらに期待が高まりますね。
オーナーを務めるのは、前野誠さん。東京都世田谷区「AU BON VIEUX TEMPS(オーボンヴュータン)」でパティシエとしてのキャリアを始め、大阪府大阪市「なかたに亭」で修業したのをきっかけにビーントゥバーに惹かれていったといいます。「同じ産地のカカオ豆でも収穫時期やロットによって微妙に風味が違い、同じ分量の材料を合わせてもその時々でチョコレートの表情が変わります。そんなところに奥深さがあり、新たな発見が日々あるんです」。その後、東京都板橋区「クリオロ」で経験を重ね、故郷の横須賀に戻り開業を果たしました。ビーントゥバーのチョコレートを通じて、地元を盛り上げていきたいと力強く語ります。
使用するカカオ豆は、ベリーのような華やかな酸味のタンザニア産、レーズンやプラムなどを連想させるビターな味わいのベトナム産の2種類。焙煎や素早い冷却など確かな技術で製造し、厚みやサイズに至るまで工夫して、それぞれ異なる魅力を引き出しています。ただ単に「甘い」「濃厚」というわけでなく、ビーントゥバーにこだわるからこそ堪能できるカカオ本来の味わいや香りが際立つ品々をチェックしていきましょう。
濃厚なチョコレートを堪能したい方におすすめしたいのは、艶々のガナッシュに目が釘付けになる「タルト・ショコラ」です。とろーり口当たりなめらかな食感は幸せそのもの! カカオの香りが口いっぱいに広がるさまが贅沢で、一番人気なのも頷けます。日によって使用しているチョコレートの産地が変わり、来るたびにカカオの違いを楽しめますよ。
ジッパー付きの袋に、約3.7cm角の小さなサイズの板チョコが2枚入っています。気軽に手に取りやすく、自分用に買いやすいコスパの良さも嬉しいところ。カカオ豆ときび砂糖のみのシンプルな材料から作られ、あえて薄く作ることで口の中で早く溶けてカカオの香りをしっかり感じられます。1cm角に割ってコーヒーと一緒に楽しむ食べ方が、前野シェフのおすすめです。
自家製チョコレートの「ベトナム産」と「タンザニア産」のボンボンショコラに加え、軽やかな酸味とほろ苦さがある「カフェ」は余韻までゆっくりと味わいたくなります。3種を食べ比べて、味や香りの違いを体感してみてください。
「卵、砂糖、粉、バターとシンプルな材料があれば作ることができ、作り手の気持ちやこだわりが見えるのが焼き菓子の魅力」という前野シェフ。それぞれ他の店にはないオリジナリティが散りばめられています。
「スカチャンク」とは「横須賀チャンククッキー」の略で、横須賀の名物でもあるスカジャンをかけたユニークな商品名に愛着が沸きます。ヘーゼルナッツペーストを練りこんだしっとりした生地をベースに、ヘーゼルナッツがゴロゴロ。生地をあえて均一に混ぜず、食べる箇所によって自家製チョコレートの感じ方が違うのがおもしろいところ。アメリカンクッキーのような親しみと、チョコレートの立体感ある味わいに心奪われます。
フランス伝統菓子のガトーバスクを、より食べやすくアレンジ。一般的なガトーバスクはクッキー生地のソフトな食感が特徴ですが、粉の割合を減らして空気が入るように混ぜ合わせることでしっとりした食感に仕上げています。間に挟んだカスタードクリームと馴染みが良く、素朴でやさしい甘味は誰からも愛される味わいです。
「自分がおいしいと思うものはもちろん、お客様が食べておいしいと思うものを前提に商品を作っています。そして、“作り手の気持ちがお菓子に反映され、お客様に届く”と修業時代の恩師たちから言われたことをずっと大切にしています。どの仕事もそうだと思うんですけど、イライラしていたり、悲しい気持ちでいると伝わってしまいますよね」。それらのモットーが外観のガラス窓には描かれ、日々真心を込めて誠実にお菓子を作り続けています。
店から徒歩10分の場所にあるうみかぜ公園まで足をのばせば、景色を楽しみながらゆったり過ごせます。ビーントゥバーならではのカカオの奥深い味わいを体験してみて。

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