自然豊かな北鎌倉はアジサイの見どころが多く、とくに青色のアジサイが境内を埋めつくす明月院は6月初めから色づきはじめ、6月末まで見ごろが続きます。このエリアにはアジサイ散策の途中に立ちよるのにおすすめのお店も多く、この時期だけのメニューも登場します。アジサイを鑑賞しながら北鎌倉で楽しい一日を過ごしてはいかが？
明月院ブルーと呼ばれる青色の姫アジサイが境内にあふれんばかりに咲く「明月院」。北鎌倉の山あいにたたずむ名刹には、澄んだ青色のアジサイが次々と花を咲かせ、一雨ごとに色が濃くなっていきます。とくに山門へとつづく参道の石段沿いは、青色のグラデーションが見事です。
本堂には本堂後庭園をうかがう丸窓がしつらわれています。「悟りの窓」とも呼ばれ、アジサイの咲く時期はまぶしい新緑、秋から晩秋にかけては燃えるような紅葉など四季折々の様子を映し出します。
開山堂の手前に鎮座するのは「花想い地蔵」です。いつも境内の花を抱えるこのお地蔵さまを6月は明月院ブルーが彩ります。
本堂の横の授与所では、明月院ゆかりのモチーフを描いたお守りや絵馬が揃います。ぜひすてきなご縁を結んでくださいね。
アジサイを鑑賞した後は、北鎌倉の風情漂う古民家をリノベーションした食事処でランチはいかがでしょうか。看板商品のけんちん汁は、けんちん汁発祥のお寺といわれている北鎌倉の建長寺直伝。ごま油の風味がほんのりと漂うやさしい味をシンプルな塩むすびで味わって。
建長寺の山内で自家養蜂したはちみつを隠し味にした「鎌倉野菜のはちみつカレー」や「鎌倉はちみつプリン」（710円）もこのお店の名物。貴重な国産のはちみつは想像以上のまろやかさです。
鎌倉野菜とレモンの入ったデトックスウォーターで心と体を潤したら、ぜひ円窓のある坐禅堂へ。オーダーしたお料理を待つ間や、食事の後に坐禅を組んで静かなひと時を過ごすこともできますよ。
午後は上生菓子のねりきりとお抹茶を体験する「kominka.」へ。スタッフが一組ずつ丁寧に指導し道具の貸し出しもあるので、初めてでも安心です。仕上がったねりきりをのせる皿や抹茶茶碗など、好きな器を選びながらの楽しい1時間前後のコースです。
6月のねりきりはアジサイをイメージした3種類です。ほんのりと透ける色あいが上品な「紫陽花」と淡い紫とピンクに白をとり合わせた「手毬」、路地に咲く様子をモチーフにした「アジサイ」。この中から1種類を選んでスタートです。コツがわかると時間を忘れて夢中になる人が多いのだそう。
仕上がったら抹茶を自分で点てて、ねりきりと一緒にいただきます。お天気のいい日はウッドデッキのあるお庭で北鎌倉ののんびりとした空気に触れながらいただくのもおすすめの過ごし方です。
緑の多い北鎌倉は細い小径を散策するのも楽しいエリア。家々の生垣に咲くアジサイを見ながら閑静な住宅街の中の坂を登った先に見えてくるのが「北鎌倉 欒（おうち）カフェ」です。あらかじめ席とメニューの予約をするお店で、作り置きをしないケーキは来客の訪問時間に合わせて仕立て、とくに7分だての生クリームの美味しさが際立ちます。
月替わりのスイーツは３数種ほど用意しています。木の葉型のクッキーをあしらった「抹茶のテリーヌ」は、上質な抹茶と生チョコレートでつくる抹茶テリーヌと粒あん、深煎りのきな粉といった和素材を、ふんわりとした生クリームが品よくまとめます。
6月は「抹茶のテリーヌ」のほかに「ブルーベリータルト」「ムースオフロマージュ」の3種類。どちらも砂糖控えめの生クリームを最後にたっぷりと絞って仕上げます。ここでしか味わえないできたてのスイーツをゆっくり堪能してくださいね。
JR北鎌倉駅のそばにたたずむ「マヤノカヌレ」はお花をあしらったカヌレが人気で、北鎌倉のお土産にも評判のお店です。定番のプレーンとチョコレートに加えて月ごとのカヌレが登場します。
6月のカヌレは定番と生姜とオレンジピールでさわやかな味わいの「ジンジャーオレンジ」と、砂糖のアイシングが天使の輪のような「ラベンダーアールグレイ」の4種類。「ラベンダーアールグレイ」は米粉の生地に混ぜたアールグレイの風味とラベンダーの花片の香りが口の中に広がるおしゃれな素材の取り合わせです。
お店の奥にはイートイン席もあって、自家製ジンジャーエールやハーブティーなどと一緒にお花のカヌレを味わうこともできます。アジサイの咲くこの時期のハーブティーは、バタフライピーやレモンマートルなど5種類ほどをブレンドし、すっきりとした味わい。青色のハーブティーでほっと一息ついてはいかがでしょうか。
街中のいたるところにアジサイが咲く北鎌倉は、明月院をはじめとして東慶寺や建長寺、円覚寺などアジサイの名所が点在します。豊かな自然の中でアジサイさんぽを楽しんでくださいね。
