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コーヒーカップをのぞき込む黒猫の看板が道しるべ♪江ノ島の隠れ家カフェ「Gallery & Cafe Gigi」

  • 2023年2月15日
  • ことりっぷ


白壁の蔵をリノベーションしたアートギャラリーにカフェを併設した「Gallery & Cafe Gigi(ギャラリーアンドカフェ ジジ)」。ノスタルジックな空間に現代アートを展示したすてきなギャラリーで、奥のカフェではほっとしたひと時がすごせます。オーナーが描いた黒猫の看板をたよりに立ちよってみませんか。
昔ながらのみやげもの店や旅館が軒を連ねる江島神社の参道から、わき道を入った先にたたずむ「Gallery & Cafe Gigi」。70年ほど前までは実際に使われていた蔵をリノベーションした建物をオーナーの石川直也さんが引き継いだのだそう。
小径に出ている看板やお店の前の猫のオブジェなどは彫刻作家として活躍する石川さんが手がけていて、さりげなさの中にアーティスティックなエッセンスも感じられます。
引き戸を開けるとすぐに素敵なギャラリーが広がります。ここには現代アートを中心に石川さんが東京芸術大学に在籍中だった頃の友人や知り合いなど、日本各地の若い作家さんの作品を月替わりで展示しています。江ノ島で海を見るのと同じような感覚でアートに触れてほしいという思いから、日常生活の延長線上にありそうな親しみやすい作品も多くみられます。
ギャラリーの奥がカフェで、窓枠にステンドグラスや日本の伝統的な組子細工を施した欄間をはめたお洒落な空間が広がります。静かで落ち着きのあるたたずまいはまるで隠れ家のよう。観光客であふれる江ノ島のにぎわいを忘れそうになりますよ。
アンティークのイスやテーブルもかわいく、頭上のライトは昔ながらの布巻コードで配線されています。レトロな赤いコードが注目を集め、たいていの人はこのコードに気が付くとコタツを思い出して、あっと声を上げるのだとか。
カフェでは素材と作り方にこだわった石川さんの手づくりの味が楽しめます。季節にあわせて2種類ほど登場するキッシュは、通常サイズより高さがありボリュームも満点。すりおろした人参のドレッシングを添えた色とりどりの鎌倉野菜と一緒に盛り合わせ、華やかな絵画のようです。
キッシュはスパイシーな香りも漂います。生クリームと卵でつくるアパレイユにナツメグ・クローブ・シナモン・ペッパー・ジンジャーの5種類のスパイスをたっぷり入れたオリジナル。薄くて繊細な生地がしっかりと包み、断面もとてもきれいです。
オーダーごとに豆を挽いてハンドドリップで淹れるコーヒーも味わい豊かです。苦めのコーヒーには「ジジ」、優しい口あたりには「ココ」と石川さんが飼っている猫の名前がついていて、看板のモチーフになっているのは黒猫のジジなのだそう。ケーキに合わせてブレンドを選ぶのがおすすめです。
生クリームとチョコレート、卵だけでつくる濃厚な味わいの「ガトーショコラ」や、ゴロゴロと栗を贅沢に入れた「栗のケーキ」など、ケーキにも惜しげもなく質のいい素材を使います。また素敵なケーキ皿はこのギャラリーで展示した作家さんによるものです。「栗のケーキ」の皿は江ノ島をイメージして貝殻やヒトデ、麦わら帽子をやさしいタッチで表現し、金太郎飴を作るのと同じ要領でつくられているのだとか。
こうしたオリジナル作品は展示の時に販売されることもあるので、とっておきの一枚に出会うチャンスもあります。江ノ島散策の途中に立ち寄ってアートに触れてはいかがでしょうか。

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