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京都よりみちこみち 大徳寺通&今宮通【前編】

  • 2022年10月31日
  • ことりっぷ


市街地の賑わいから離れた、閑静な洛北の地・紫野を走るふたつの通り。古拙や古社を参拝してご利益をいただき、秋色に染まる寺社の庭園風景や新旧の個性あふれるお店をめぐりつつ、心も体も満たしましょう。
南北に走る大徳寺通に面して総門を開く大徳寺は、鎌倉時代の創建。今年生誕500年となる千利休や、豊臣秀吉はじめ戦国武将たちともゆかりが深く、洛北の象徴となる大寺院です。厳かな境内を歩きながら、千利休も同じ場所を歩いたのかもしれないと想像するのも楽しいもの。
大徳寺では、この秋には聚光院(じゅこういん)をはじめ、普段は非公開の塔頭(たっちゅう)寺院を特別に公開。紅葉の美しい庭園や障壁画などの文化財が心ゆくまで味わえます。
バッタンバッタンと機織りの音が響く西陣の町の角を曲がると、小さなカフェが路地裏にたたずみます。店主の松村清美さんが大工さんと一緒に織物工場として使われていた町家を改装し、ここでお店を開いたのは 2021年1月のこと。店名のKONONEKIは京ことばで「近くに」を意味し、「お店のそばに来てくださいね」との思いがこもっているそう。
「週替りサンドのセット」のこの日の主役は、ほどよい噛み応えのあるコッペパンを使った海老とアボカドのサンド。トマトのポタージュも脇役とは思えないおいしさです。
散策の途中には「小麦を食べている」と実感できる北海道産の小麦・キタノカオリを焼き上げたトーストや、季節のフルーツを使ったパフェもおすすめ。
平安時代に都で流行した疫病を鎮めるため、御霊会(ごりょうえ)を営ん だことに始まるという「今宮神社」。広々とした境内には、本社や疫社をはじめ多くの社を祀ります。
また、西陣の八百屋の娘であったとされるお玉さんは、江戸幕府の5代将軍・徳川綱吉の生母(桂昌院)になったことから「玉の輿に乗る」の語義ともいわれています。お玉さんは故郷を忘れず、氏神である今宮神社の復興にも力を尽くしました。
今宮神社の東参道に店を構え、昔ながらの茶店の雰囲気を残す「かざりや」。名物の「あぶり餅」は、小さくちぎった餅にきな粉をまぶし、細い竹串に刺して備長炭の火で炙り、ほんのり甘い秘伝の白味噌だれをたっぷりからめた素朴な一品です。
「かざりや」の創業は江戸時代初期にさかのぼるそうで、詫びた門と暖簾にも風情を感じます。厄除けと無病息災のご利益がある「あぶり餅」は、味わい深い包み紙での持ち帰りも可能。参拝後のおみやげにもおすすめです。
「皐盧庵茶舗」(こうろあんちゃほ)は、大徳寺境内にある日本茶カフェ。茶葉の栽培からお茶室でのお点前まで幅広く手がけています。玄関脇には本格的なお茶室では、店主自らお点前してくれることも。
大徳寺というお茶の聖地にちなみ、盛りだくさんのセットメニューがおすすめ。「三種のお茶プレミアム2022」では、お抹茶、玉露、煎茶など5種類から好みのお茶を選べ、そのどれもが今年収穫されたものばかり。
「初夏に摘んだ茶葉が熟成され旨味が増すのは紅葉の頃からですよ」とは店主の神田さん。セットには「御菓子司 聚洸」の生菓子、お店の元ねこ店長をモチーフにしたオリジナルの「はなのすけ最中」、大徳寺納豆などが含まれていて、最後までおいしくいただけます。

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