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月と赤いダイヤと、温泉と♪焼津の隠れ宿「月と鮪 石上」で過ごす特別な時間

  • 2022年9月10日
  • ことりっぷ


2022年7月、月と鮪がテーマというユニークな海辺の温泉宿が「月と鮪 石上」としてリニューアルオープン。デザイナーが手掛けた和モダンな館内で海と月をのんびりと眺めたり、くつろぎを追求した客室でまどろんだり、肌にやさしい温泉でくつろいだり。夕食では、驚きに満ちたミナミマグロ尽くしのコース料理を存分に味わえます。人里離れた隠れ宿で、心ゆくまで焼津の夜を楽しんでみませんか。
背後に緑豊かな山々が迫り、目の前には紺碧の駿河湾が広がる、焼津市北東端に位置する小浜地区。焼津駅から車で10分ほどの距離ですが、建物はぐっと少なくなり、自然に抱かれてのんびりとくつろげるこの地に「月と鮪 石上」があります。60年ほど続いた料理旅館「鮪の御宿 石上」が2022年7月1日、気鋭のデザインチームにより全面リニューアルされました。
宿のシンボルとなっているのが、朝・夕食をいただく「満月のダイニング」。装飾を省いた白亜の空間が広がるなか、海に向かって大きな丸窓がしつらわれていて、円形に切り取られた水面と空が自然に目に飛び込んでくる設計。空が暮れなずんでくると、テーブルに反射した明かりが丸窓の海面へと続くムーンロード(月の道)のような光景も。テーブルの板は年輪を浮き上がらせた「うづくり仕上げ」が施されていて、輝く板がまるで海面に揺らめているように見えるのも心憎い演出です。
エントランスを抜けて2階へ上がった先にある客室は、リニューアルを機に一新された全5室。テレビをあえて置かないシンプルな和洋タイプで、海と山の素朴な風景を窓から眺めるのが楽しい空間です。ベッドは深い眠りを約束するシモンズ社製。畳には、裸足で歩きたくなる肌触りのいい和紙を用いているのもこだわりです。
2階の山側にはソファや椅子で自由にくつろげる「山月のラウンジ」があり、家具や建築に関する本もセレクト。自由に飲めるお茶やコーヒーも用意されていて、夕食までの時間をゆったりと過ごすことができます。
リニューアル前から定評のあった夕食は、「赤いダイヤ」と呼ばれる高級食材のミナミマグロ尽くしのコース。中とろの握りやお造りで素材の味を味わって、鮪の漬けにビーツや黄身酢を合わせた最中などの創作料理に感動し、代々受け継いだ秘伝のタレで血合いとカマを煮込んだお煮付けで鮪の多彩な部位を楽しみ――。最後は目の前で点てられた薄茶と和菓子が振舞われます。
こうした鮪料理のコースの組み立て方などは、ミシュランガイド東京2020より3年連続で一つ星獲得した、東京・代々木上原の「sio」オーナーシェフ・鳥羽周作氏の監修を受けてリニューアルされました。
夕食と同じ「満月のダイニング」で味わう朝食も、焼津らしさを盛り込んだ和定食。鉢の身の幽庵焼きや中落ちなどのミナミマグロに加えて、目の前の海で水揚げされたシラスの小鉢も。契約農家から仕入れた銘柄米「縁結び」のご飯が進む品々が並びます。
肌にやさしい弱アルカリ性の焼津温泉を引く、男女別の内湯もあります。湯殿横には、魚や骨董、建築などの名著が並んだライブラリースペースもあります。とはいえ、この宿は余分なものを省き、自由なスタイルでくつろいでもらうことがコンセプト。女将と兄弟2人が切り盛りしていて、ほどよい距離感で接してもらえるのも魅力です。館内で過ごすうちに、我が家にいるようにくつろげる宿でした。
中秋の名月をはじめ、お月さまと鮪を心ゆくまで楽しめる「月と鮪石上」。宿を後にした翌日にめぐりたい、秋をテーマにした焼津の旅も見てみてくださいね。

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