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京都・詩仙堂の参道茶屋「一乗寺中谷」で、あったか白味噌雑煮と郷土菓子のパフェを

  • 2022年2月24日
  • ことりっぷ


まだまだ寒い日もあるこの季節。そんなときに恋しくなるのが、京都の冬の風物詩・白味噌雑煮です。和菓子の「一乗寺中谷」は、詩仙堂の参道で白味噌雑煮を長年ふるまってきました。また、最近では予約が殺到している人気スイーツもあるとか。それでは、さっそく訪れてみましょう。
一乗寺中谷へは、京都駅からバスで約50分の一乗寺下り松町で下車、徒歩で東へ2~3分のところにあります。店の前には、郷土菓子の「でっち羊羹」や、この近くで宮本武蔵が歴史に残る決闘をしたことにちなむ「銘菓 武蔵」が出されており、土地の伝統を受け継ぐ和菓子屋さんであることが見て取れます。
中谷が詩仙堂の参道で創業したのは約80年前。「お祭りの日に、昼ご飯として食べられていたでっち羊羹を作ることから中谷はスタートしました。詩仙堂へお参りに来られた方へ、甘いものや白味噌雑煮のようなランチをお出しするようになったのは20年ほど前からです。」と3代目の中林英昭さん。
店舗に併設された20席あまりのカフェは、懐かしさあふれる茶店のような趣です。また、中林さんが和菓子の職人であるのに対し、奥様は洋菓子のパティシエ。お二人のプロの技から、人気の中谷オリジナル和様折衷スイーツが誕生しました。
お目当ての白味噌雑煮は、ゆでた丸もちに、大根と人参、小芋が入った京風。食べる直前に花がつおをかけていただきます。
「実はこのセット、和菓子で使う材料がそのまま使われているんです。和菓子では白味噌を甘味に使いますし、赤飯はもち米に小豆、塩昆布は善哉やお汁粉の箸休め、ごま豆腐は葛で固めています」と中林さん。和菓子店だからこそ、生まれた白味噌雑煮だったのですね。
以前は冬季のみのメニューでしたが、今では1年を通していつでも味わえます。朝ごはん、ランチ、おやつ、どんな場面でも心まであたためてくれそうです。
「中谷パフェ」は、お店の原点「でっち羊羹」を使った人気のスイーツ。存在感のある竹の皮で包まれた羊羹が、パフェグラスにちょこんとのっています。小豆を米粉と練って蒸し上げたものなので、羊羹というよりもういろうのようなモチッとした食感です。
ほかにも、ジェラートや抹茶アイス、ほうじ茶の寒天や、豆腐羊羹、豆乳プリンなど、他では口にすることができない珍しいものも。ちなみに、豆腐や豆乳が使われているのは、近所に美味しいお豆腐屋さんがあるからとのこと。郷土の味がつまっているパフェだったのです。
店内には、まるで洋菓子店のようなケーキのショーケースがあります。シュークリームやロールケーキ、トリュフなどお馴染みの洋菓子に混ざり、栗蒸し羊羹ならぬ栗蒸しモンブランや豆乳プリンなど、興味をそそられるネーミングのスイーツが所せましと並びます。
中谷の和洋折衷スイーツの代名詞「絹ごし緑茶てぃらみす」は、白木の箱に一面のクリーム、そこに小豆、黒豆、鶯豆が整然とトッピングされ、枯山水に例えられることもある銘菓。その下のムースには白あんと豆乳、柳桜園の抹茶が惜しみなく使われ、スポンジには緑茶シロップが染みこんでいます。
ネットでは9カ月待ちの人気菓子ですが、店頭で当日販売分が予約なしで購入できます。また、冷蔵が必要なため持ち帰りが難しいという方には、「絹ごし緑茶焼きてぃらみす」が用意されています。
郷土菓子から始まり、和菓子の素材と技を基調にしながら、洋菓子や豆腐、お茶とのコラボで、新しい展開を見せる一乗寺中谷。でも、奇をてらうようなものはなく、ひと口味わった瞬間に「本当においしいね」と素直に言えるものばかりです。これからの季節は、桜餅など春のお菓子で迎えてくれる中谷に足を運んでみませんか。

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