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ナポリタン発祥の地!横浜の歴史と伝統を受け継ぐクラシカルな老舗ホテル「ホテルニューグランド」

  • 2022年1月31日
  • ことりっぷ


昭和2年の開業以来、国内はもとより海外からも大勢のお客様に親しまれてきた横浜のクラシックホテル「ホテルニューグランド」。90年以上もの間、変わることなく受け継がれてきたおもてなしの精神は心温まる交流を生み、名物料理もいくつか誕生して日本各地へと伝わりました。今では全国のレストランでいただける料理をホテルのクラシカルな雰囲気とともにご紹介します。
重厚なヨーロピアンスタイルの「ホテルニューグランド」は、関東大震災でがれきの街へと一変した横浜の新しいシンボルとして建てられました。開業当時の日本は外国との往来の主流が船で、港のある横浜はその玄関口だったことから多くの外国人が行き交っていたのだそう。このホテルもそうした外国人の利用客が多く、喜劇王のチャーリー・チャップリンやアメリカ大リーグのベイ・ブルースなど多くの著名人も訪れた横浜を代表するクラシックホテルです。
現在は本館のとなりに増築したタワー館にフロントがあり、もともと本館にあったフロントやロビーは結婚披露宴などで使用しているとき以外は自由に見学できます。山下公園側の入り口から入るとすぐにホテルのシンボルにもなっている大階段があり、登った先には開業当時の風情もそのまま残るロビーが広がります。
高い天井や柱にも細かい彫刻がほどこされたロビーはクラシカルでエキゾチック、建築の美しさを物語ります。大きなアーチ型の窓にはベルベットのカーテンがかかり、ここのソファーに座っていると、映画のワンシーンに迷い込んだかのような気分になりますよ。
キングスチェアというクラシカルなイスのひじ掛けには天使の彫刻があり、かわいい笑顔にふれると幸運が訪れるという伝説も。
ヨーロッパの建築様式に大きな灯篭の照明を吊り下げるなど日本らしさも取り入れた設計は、のちに時計塔のある銀座の和光本館を手掛けた渡辺仁氏によるもの。90年という時間が流れ港の様子は変わっても、ここには開業当時と同じ静かで落ち着いた空気が流れます。
本館1階大階段の横にはコーヒーハウス「ザ・カフェ」があり、このホテル発祥の「スパゲッティ ナポリタン」「プリン・ア・ラモード」「シーフード ドリア」が楽しめます。今では日本各地で普通に見かける3品の料理は、このホテルで誕生しました。
戦後の約7年間はアメリカのGHQに接収されていた時期があり、マッカーサー元師が滞在した315号室は今も「マッカーサーズスイート」として使われています。
そうした時代に米兵達がスパゲティにケチャップをかけて食べていたことにヒントを得てつくったのが「スパゲッティ ナポリタン」です。トマトの粗切りと水煮トマト、トマトペーストをあめ色になるまで炒めた玉ねぎと煮込んだソースは、茹でて一晩寝かせたモチモチのスパゲティによく絡みます。
固めのプリンを中央にのせた「プリン・ア・ラモード」は、アメリカ人将校婦人に楽しんでもらうようにと考えたのがはじまりでした。彩りよく華やかになるようにという配慮から使うことになった前菜用のガラスの器もキュートです。
ドリアという料理も初代総料理長が考えたこのホテル発祥のメニューです。体調を崩した宿泊客を気遣って作った創作料理で、バターライスにエビのクリーム煮とグラタンソースを重ねチーズをふりオーブンで焼いたところ、たちまち人気のレギュラーメニューとなり、その後は弟子たちによって日本各地に広まっていきました。ソースは今も絹の布で丁寧に濾し、まろやかでやさしい味わいです。
大階段を上がった2階には開業当時メインダイニングとして使っていた「フェニックスルーム」があります。ロビーと同様に大きなアーチ形の窓があり、高い天井は神社の神殿のような木組みの和洋折衷のつくりです。
通常はバンケットルームとして使い、日によっては「スパゲッティ ナポリタン」「プリン・ア・ラモード」「シーフード ドリア」がいただける日程も設定されています。普段なかなか足を踏み入れることができないクラシカルな部屋で、贅沢な時間を過ごしてはいかがでしょうか。

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