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金沢で見つけた♩木のぬくもりを感じる漆器の「能作」

  • 2022年1月26日
  • ことりっぷ


特別名勝の兼六園と金沢の繁華街・香林坊を結ぶ、百万石通り沿いにある漆器店「能作(のさく)」。1780(安永9)年に、うるし業を創業して以来、伝統的な金沢漆器から輪島塗や山中塗の器をはじめ、現代のライフスタイルに似合う漆器まで、改めてその魅力に気づくことができるお店です。同店舗ビルの4階には「甘味処 漆の実」もあり、おいしいコーヒーなどを漆器で味わえるだけでなく、日常の中でどのように使えばいいのかヒントも発見できますよ。
漆器は、もともと木の器なので、軽くて口当たりが優しい漆塗りの器です。陶磁器やガラス食器に比べて、落としても簡単に割れないのも特徴。高い保温性もあるので、温かい料理をおいしく味わえるだけでなく、天然の漆には菌の繁殖を抑える抗菌作用があるために、おせち料理の重箱としても使われてきました。
創業240年以上の老舗として暖簾を守る「能作」では、昔ながらの伝統的な漆器はもちろん、丈夫さとお手入れの簡単さを紹介しながら日常づかいできる、今の時代に合う漆器までを取り揃えています。
また、甘味処の食器としても使われていますから、甘いものを楽しみながら身近な存在に思えてくる漆器。その魅力を知ることができるだけでなく、長く使うためのコツを教えてもらったり。修理のお願いもできますよ。
漆器とひと言でいっても、椀物やお皿、酒器などの食器もあれば、茶道具、インテリア系のものもあります。そういった昔からある工芸品的な漆器は、「能作」の2階から3階を中心に置かれています。
金銀などの蒔絵粉を散りばめて美しい絵や文様を描くのを特徴とした加賀蒔絵が特徴の「金沢漆器」に、自然の風合いを表現した「山中塗」や堅牢優美と呼ばれる「輪島塗」の漆器を、種類豊富に取り扱います。
普段使いできる食器は1階にあります。なかでも、漆器の常識が変わる食器洗浄機が使える器「麗漆シリーズ」は、シンプルなデザインで使いやすいと好評です。木の質感はそのままに、石川県と京都市の両研究施設で開発された耐光性漆を使用しています。
また、おもしろいのが「パール漆」です。新潟県燕市で作られた二重構造のステンレスカップに漆を施しますが、キラキラと美しいのは雲母の粉を漆に混ぜ込むから。こちらも「本当に漆器?」と驚く方が多いそうですが、熱いのも冷たいのもおいしく飲めるカップとして重宝されているそう。「能作」では、新しい技術による、いまの漆器と出会うことができますね。
1階の奥にあるエレベーターで4階へ行けば、ここだけの利用も可能な和風カフェがあります。マイルドで飲みやすい水出しコーヒーや甘い香りがする加賀の紅茶などの各種飲み物から、甘味処ならではの小倉トーストといった軽食まであります。
もちろん人気は甘いもので、ぜんざいやくずきりなどもありますが、一番は「抹茶クリームぜんざい」です。大きめサイズの能登産大納言小豆による自家製餡をたっぷり使い、アイスの上に抹茶の粉をかけるのがお店ならでは。ひと口食べると、甘さの中に爽やかな苦味があり、漆器のスプーンで食べるので口当たりの良さをより感じさせます。
金沢「吉はし」の和菓子を取り寄せて、抹茶とともに提供する「和菓子セット」も好評です。こちらも漆器の菓子切りを使うので、軽く手に持ちやすく、何より食べやすさがあります。
歴史ある金沢らしいおみやげを見つけるなら漆器もそのひとつ。毎日使える身近な工芸品を探すのにおすすめのお店です。

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