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【京都よりみちこみち】寺院と老舗が軒を連ねる寺町通:後編

  • 2021年6月20日
  • ことりっぷ


京都御所の東側にある寺町通。中でも、御所南の丸太町通から三条通までの間は伝統と文化が息づく、京の神髄に触れられるエリア。ゆるりと散策すれば、街中で京都の歴史や文化に触れることができます。
気になる日本の文化や、知らなかったことを知るのは楽しいもの。寺町通を歩いて「好き」を深掘りしてみませんか。
北の鞍馬口通から南の五条通まで、京都のまちを南北に繋ぐ寺町通。名前の由緒は今から400年ほど前。応仁の乱で廃れたこの通りに、豊臣秀吉が京都のまちなかの寺院を集め約80もの寺院が宗派を超えて集まったのだとか。次第に、数珠や書物、仏具など、寺院に関わりのある業種の店が軒を連ねるようになり、通りが栄えていきました。
現在でも紫式部の邸宅跡に建つ廬山寺や、織田信長ゆかりの寺院である本能寺、かぼちゃ供養で知られる矢田寺など、多くのお寺が点在。一方で、文化を伝える老舗や個性豊かなショップも建ち並んでいます。
版画文庫「徳力版画館」がプロデュースする小箱と雑貨の店。お店の代名詞でもある手のひらサイズの「小箱」は、京都のおみやげやギフトにも人気です。
小箱の表の絵柄は、代々西本願寺の絵師を務める徳力家の12代目・徳力富吉郎の作品をはじめとする京都の春夏秋冬や風景を描いたもので、その数なんと300種以上!好きな絵柄の箱と中身を組み合わせれば、自分だけのとっておきの小箱が完成します。相手の好みに合わせてセレクトできるのも、ギフトにぴったりの理由です。
「一保堂茶舗 京都本店」は300年続く、老舗の日本茶専門店。取り扱うお茶は、京都府近郊で生まれたまろやかな味わいの茶葉が中心です。
併設の喫茶室「嘉木」では、お茶の淹れ方を教えてもらいながら、抹茶や玉露など好きなお茶と和菓子のセットを味わうこともできます。なかでもおすすめは、初夏の茶畑を思い起こさせる香りが特徴の「特撰煎茶」。一煎目は甘く、二煎目は渋みが加わり、三煎目は青みが顔を出します。お湯を差すたびに変わる味わいの違いに驚かされますよ。
廬山寺(ろざんじ)は、天台圓浄宗の大本山。正式には「廬山天台講寺」といい、天慶年間(938~947年)に元三大師良源が京都は北山の地に創建したのがはじまりです。度重なる火災により焼失し、天正年間(1573~1592年)に、現在の寺町通沿いの地に移されました。
移設されたこの場所は、『源氏物語』で知られる紫式部の邸宅があった場所と伝わっているので、本堂の庭園は「源氏庭」と呼ばれています。四季折々の風景が広がり、特に毎年6~9月頃には『源氏物語』に登場する朝顔こと現在の桔梗が凛々しい姿で咲き誇ります。
ご主人の柴田十起夫さんで九代目を数える、200年の歴史をもつ寿司屋。名物は鯖寿司で、「末廣」好みを知る錦市場の鮮魚店が厳選した、その日いちおしの鯖を使用しています。八代目儀兵衛がブレンドした寿司専用の「寿司米」と、あたりのやわらかい村山造酢の「千鳥酢」を使ったシャリとの相性も抜群です。
店内で食べるほか、折詰の用意もあります。京都ならではの信頼が生み出す、贅沢な逸品を存分に味わいましょう。
京都の伝統の菓子「五色豆」に代表される豆菓子とあられを扱う「船はしや總本店」。扉を開ければ、“シロ店長”をはじめとする気まぐれな看板猫たちが迎えてくれます。近寄ってくれる猫がいる一方で、丸まって寝ているマイペースの猫がいたり、猫好きにはたまりません。
うに豆や万才豆、塩豆などの豆菓子は、どれも豆そのものの素朴なおいしさ。素材の持ち味を大切にしながらも、ほどよい味付けがされ、つい手が止まらなくなるものばかり。ヘルシーなお酒のおつまみとしてもおすすめです。

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