※アロエには緩下作用があり、多量に摂取するとお腹が緩くなる場合があります。※生のアロエは子宮を収縮させる成分を含むとされ、生理中・妊娠中・授乳中の女性、子どもの摂取は控えてください。
こんにちは。「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。
前回から「スーパーには並ばない、オツな味」と題してあまり知られてはいないけれど、身近かつ、意外とおいしい植物たちをご紹介しています。
ほうれん草のような味わいの野草「ハゼラン」に続き、今回は住宅の庭などでときどき見かける「アロエ」の食べ方&使い方をご紹介します!
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スーパーには並ばない、オツな味 #02 「アロエ」この間、シェアメイトのまほちゃんに見慣れない形の細長い段ボールが届きました。
中から出てきたのは、なんと大きなアロエ! アロエ入りのヨーグルトは何度も食べたことがあるけれど、アロエそのものを見たのは初めてでした。
保育士であるまほちゃんは、子どもたちと海や山で遊ぶのが仕事。話を聞くと、日焼けをしやすい仕事がら、お肌のケアのために去年からインターネットで購入しているということでした。
まほちゃんと、彼女が買った宮古島の巨大なアロエ。サボテンのようです。
アロエを食べると、体にこもった熱をクールダウンしてくれるといいます。スキンケアにも有効とされ、日焼けしたお肌の回復をサポートし、肌のコラーゲン量を増やして、美白効果も期待できるのだとか。あのクレオパトラも、美容や健康のためにアロエを愛用していたといわれています。
まほちゃんからアロエのヌルヌルしたエキスを分けてもらい肌に塗ってみると、もっちもちのツヤツヤ、そしてしっとり‼ これはすごい!
「アロエを食べておけば、日焼けをしてもまた白く戻るんですよ」とまほちゃん。彼女の肌が真っ白でピカピカなだけに、とても説得力があります……!
「私もアロエ、買ってみようかな?」と思ったとき、ご近所さんの家にもアロエが生えていることを思い出しました。確認してみると、「うちの家にあるから好きなだけ持っていきな!」とコンテナいっぱいに、どっさりいただきました。
昔々、ご近所さんのお父さんがどこかからもらってきたアロエを家の横に植えたそうで、そこからどんどん増えてここまで立派に成長したのだとか。
アロエは昔から「医者いらず」といわれ、内用では胃もたれ、外用では火傷・美容液とさまざまな民間療法で活用されてきました。近所のおばあちゃんもこのアロエで化粧水をつくっていたと聞きました。
ご近所さんのアロエはまほちゃんが買ったアロエよりも細くて小さい。キダチアロエという種類だそうです。
というわけで、今回はこのアロエの活用レシピを紹介していきます!
デザートや珍味として楽しむ「アロエ」の食べ方まずはアロエの皮むきから。
アロエのとげを切り取り、皮をはがして、中の“ゲル”部分だけを使っていきます。
キダチアロエはゲル部分が薄いので、ピーラーで皮をむいて、スプーンでゲルをこそげとるようにしてもOK!
市販品のあの味! アロエのハチミツレモン漬け
まほちゃんから教えてもらったのが「アロエのハチミツレモン漬け」。アロエはそのまま食べると少し苦味があるので、ハチミツとレモンですっきり甘く味つけをしていきます。
つくり方は、皮をむいたアロエを瓶に入れ、そこにハチミツとレモンを入れるだけ。分量はお好みでOK。
薄くスライスしたものなら、翌日には味が染み込み、市販品のアロエのシロップ漬けのような甘酸っぱい味に仕上がります。ヨーグルトと合わせて食べると絶品です!
海で日焼けしたあとや、暑い日中の畑仕事のあとのおやつなどにぴったり。冷蔵庫で保存し、早めに食べ切ってください。
まるでイカのよう? アロエのお刺身
アロエは生のままお刺身として食べることもできます。皮をむいてから薄くスライスして、水で洗って滑りをとり、お醤油とワサビでいただきます。
食感がコリコリ、つるっとしていて、苦みや青臭さは意外とありません。夫曰く、「ちょっとイカに似ているかも?」とのこと。
飛び上がるほどおいしい! という味ではありませんが(笑)ちょっとした珍味として挑戦してみると楽しいかもしれません。
アロエの刺身を味見する夫の浩一さん。
しっとりなのにべとつかない「アロエ」でスキンケア日差しが強く、乾燥した土地に分布する、生命力の強いアロエ。スキンケアでは保水力にすぐれ、お肌の調子を整え、抗菌作用もあるので、ニキビケアにも効果的といわれています。
今回は、「アロエ化粧水」と「アロエエキス」の2種をつくってみたいと思います。
その日から使える! 「アロエ化粧水」
まずはアロエのゲル部分だけを使った化粧水。つくったその日から使えるのがポイントです。
<アロエ化粧水のつくり方>
(1)アロエの皮をむく
(2)(1)にホワイトリカーを合わせてミキサーにかける
※効果を高めたい方は、エキスを抽出するためこの状態で数日冷蔵庫保存してください。
(3)(2)をさらしで濾す
ホワイトリカーの量は、アロエが浸るくらいの量でOK。焼酎でも代用できます。アルコールの刺激が苦手な方は、精製水でもつくれますが、傷みやすいので早めに使い切るようにしてください。
アロエとホワイトリカーをミキサーにかけたものを、さらしなどで濾していきます。
完成した化粧水は、トロッとしたテクスチャー。お風呂上がりに使うとひんやり気持ちよく、次の日まで肌のもちもちが持続します。しっとりなのにべとつかない、やみつきになる使用感です! とろみと保湿力を高めたい方は、最後にグリセリンをお好みで足してください。
※冷蔵庫で保存してください。※アルコールの刺激が苦手な方は、加水することをおすすめします。※肌に合わない可能性もあるので、使用前にパッチテストを行ってください。
アロエの成分をがっつり抽出! 「皮ごとアロエエキス」
アロエの皮をむかずに、そのままアルコールにつけたアロエエキス。常温保存できるので、冷蔵庫を圧迫せずにたくさんつくれるのがうれしいレシピ。数か月寝かせてから使用します。
<アロエエキスのつくり方>
(1)アロエのとげを包丁で取り除き、エキスが出やすいように小さく切る
(2)(1)を瓶に入れ、アロエが浸るまでホワイトリカーを入れる
(3)完成!
化粧水として使う際は、使う分だけ加水して使用するのがおすすめです。(その際は冷蔵庫保存してください)また、アロエの外皮には強い成分が含まれるので、使用の前には必ずパッチテストを行ってください。
遊びに来たゲストのタケル君も一緒にアロエをさばいてくれました。
遊び尽くした夏のケアに!食べても、お肌に塗っても効果のあるアロエ。「家庭の万能薬として、昔はみーんな庭に植えていたんだよ」とご近所さんは笑います。
通学路に、いつものお散歩の道端に、お隣さんのおうちの庭に。よく観察してみると、意外と身近に生えているかもしれませんね。(※アロエを収穫する際は、土地の持ち主さんに許可をもらってください)
化粧水をたっぷり仕込んだので、これからしばらくは無添加化粧水がバシャバシャ使えると思うとうれしいです。
たくさん日焼けし、ほてった夏の体のケアに、アロエで体の内側・外側からお手入れしてみませんか?
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いとしまシェアハウス
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CHIHARU HATAKEYAMA
畠山千春
はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。ブログ:ちはるの森