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キャンプの恵み

Vol.45 大きな東京の中で

  • 2013年11月21日

 東京は大きい。

 海外に出かけると、この当たり前のことに改めて気づかされます。東京都市圏では、電車に30分乗っても建物が途切れないというのが当たり前の光景ですが、このような都市には日本以外で出会ったことがありません。かなりの大都市でも、30分も車を走らせれば田園風景が広がり、1時間で大自然に到着ということが少なくないのです。


キャンプ場が都心部から近い場所にあることで広がる可能性があります。
 この違いはキャンプのあり方にも影響を与えます。たとえば、夏休みの“自然の中の学童保育”のような役割を担うデイキャンプは、毎日通える距離にキャンプ場があるからこそ成り立つものです。重い病気の子どもたちを対象にしたキャンプも、キャンプ場への移動そのものが負担にならないことがプラスの要因になります。

 しかし、東京から同じような環境のキャンプ場に行こうとすると、少なくとも2〜3時間はかかります。東京は、キャンプにとってなかなか厳しい都市です。それなのに、景気回復を錦の御旗に、より一層の東京一極集中を進めようという動きが見えて、正直、「もっとほかの方法はないんかいな?」と思います。

 とはいえ、無いものねだりに意味はありません。何かよい方法はないでしょうか。


このキャンプを主導する先生の悩みは「資金確保」と「男子学生が少ない」ということ。ここだけは日本と似ています。
 アメリカで参加したNational Bereavement Camp Conferenceというグリーフキャンプの研修会で、ウィスコンシン大学におけるグリーフキャンプ「Camp Lloyd」の取り組みを紹介する分科会がありました。「大学には体育施設や緑地などもあるし、リーダーになり得る学生もいる。また、地域社会にいかに貢献するかというのは重要なテーマのひとつなので、大学にとってのメリットもある」という説明を聞いて、なるほどと膝を打ったのでした。

 もちろん、資金やリーダー養成など課題も山積みとのことなので、ことは簡単ではありません。それでも、東京はキャンプにとって不利な大都市ですから、使えそうな社会資源はなんでも使うくらいの気持ちが必要です。その話を聞いて以来、ステークホルダーとなるキャンパー、大学、核となる団体、それぞれがハッピーになれるテーマ設定や進め方はどんなものだろうかと、思索を巡らせています。

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