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キャンプの恵み

Vol.2 子育て支援としてのキャンプ

  • 2012年3月15日
子育て支援としてのキャンプ

 夏休みの朝、多くのアメリカの子どもたちが、黄色いスクールバスに乗って出かけていきます。しかし、バスが向かうのは学校ではなく、「デイキャンプ」です。日本で「デイキャンプ」というと、自然の中でのバーベキューのような「日帰りのキャンプ」を指しますが、ここでいう「デイキャンプ」はそれとはかなり異なります。

 日帰りなのは同じですが、子どもたちは月曜から金曜日まで、毎日同じキャンプ場に通うのです。そこにはプール、乗馬、クラフト、アーチェリー、自然学習、バスケットボールなどのスポーツといった、キャンプの一般的な活動がそろっています。子どもたちは年齢別の小グループで、これらのプログラムをキャンプリーダーとともに楽しみます。お昼には食堂でご飯を食べ、年齢の小さいグループにはお昼寝の時間があることも。
 これって、何かに似ていると思いませんか?そう、キャンプが保育所や学童保育の役割を担っているのです。


子育て支援としてのキャンプ

 日本ではキャンプというと、わざわざ自然の中に出かける特別な活動と考えられがちです。もちろん、アメリカにもそのようなキャンプはありますが、「デイキャンプ」はそれとは違う、地域に密着した子育て支援のプログラムなのです。保護者の労働時間にあわせて、いわゆる“延長保育”も提供されています。

 日本でも、夏休み期間中の保育所や学童保育がキャンプのようだとしたら、楽しいと思いませんか?もちろんこのようなキャンプが発達した背景には、公的サービスの不足や、車で20分も走れば十分に自然の環境があるといったアメリカの特殊事情がありますから、日本で同じものができるとは思いません。でも、アメリカの子どもたちのデイキャンプを楽しむ様子を見ていると、日本の保育所や学童保育に「挑戦」や「創意工夫」、「協力」といったキャンプのエッセンスを少し溶け込ますことができないだろうかと考えます。そうすれば、子どもたちはもっと楽しく有意義な時間を過ごせるのではないでしょうか。

 私たちキャンプの普及を担う者には、親御さんと保育に携わる人々、そしてキャンプ指導者をより近づける努力が求められているようです。


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