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「林道」 詳細解説

読み:
りんどう
英名:
Forest road

森林を適正な状態に保つためには、自然の状態で放置するのではなく、人間の手をほどよく加えることが必要だ。山の木を切り出したり、間伐などの作業を行うために山林地域へのアクセスや作業効率を高めたりするためにつくられる道路が林道だ。林道はまた、地域に暮らす人にとって村と村とをつなぐ生活道となる。さらに、都市と山村の交流道路の役割も果たす。

林道は、国からの補助を受けて都道府県、市町村、森林組合などが敷設する「一般補助林道」と、旧緑資源機構が広域な地域に敷設した「緑資源幹線林道」に分けられる。緑資源幹線林道はかつての特定森林地域開発林道、いわゆる「スーパー林道」と、大規模林業圏開発林道、いわゆる大規模林道とを一本化したものだ。いずれも旧緑資源機構のさらに前身である旧森林開発公団が開設・改良した林道で、現在は着工されていない。緑資源幹線林道の管理については、旧緑資源機構の後身である森林農地整備センターが維持や修繕などを行っている。

スーパー林道は、森林地帯の木材の活用と観光資源としての活用を目的として敷設された。1990年までに石川県から岐阜県に抜ける「白山スーパー林道」、徳島県の「剣山スーパー林道」などが全国各地で開設され、奥地の森林資源の切り出しが容易になったり、都市住民が山奥の自然に接したりする機会が多くなった。その一方で、山奥に舗装された道路ができて観光バスやマイカーなどが通るようになると、排気ガスなどで生態系に影響が出ることが懸念され、各地で反対運動が起きるきっかけにもなった。

近年、生物多様性に関する関心の高まりを受けて、自然環境に配慮した林道づくりが求められるようになっている。

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