サイト内
ウェブ

「国連生物多様性の10年」 詳細解説

読み:
こくれんせいぶつたようせいのじゅうねん
英名:
United Nations Decade on Biodiversity

2010年10月に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で、生物多様性に関する2011年以降の目標となる、「愛知目標(愛知ターゲット)」が採択された。2002年のCOP6で採択された「2010年目標」が達成されず、生物の多様性が損失する速度を減少させることができなかった反省を受けて、新たに採択されたものだ。その後、日本のNGOなどの働きかけもあって、同年12月の第65回国連総会で、愛知目標を達成するために2011年から2020 年までの10年間を「国連生物多様性の10年」とすることが決まった。

多様性の10年は、同条約の締約国や国連の加盟国はもちろん、世界のあらゆる主体が協力・連携して、生物の多様性を保全するとともにその持続可能な利用に取り組むことを目的としている。また、2010年の「国際生物多様性年」にあたり国内委員会を設立した締約国に対して、多様性の10年に関する取り組みにも力を入れるよう求めている。これを受けて、国内では2011年9月に日本委員会(UNDB-J)が設立された。

2012年10月にインドで行われたCOP11では、愛知目標と名古屋議定書を実現に導くために、生物の多様性に関する先進国から開発途上国への資金援助を、2015年までに倍増させるとともにその水準を2020年まで維持することで各国が合意した。また、2014年に韓国で開催されるCOP12で、愛知目標の達成に向けた進捗状況を評価することや、2020年までに開催されるCOPで目標の達成状況を評価し続けていくことなどが決まった。

COP11ではさらに、愛知目標を達成するために各国が生物の多様性に関する国家戦略を改定することを要請する決定が行われた。日本はこれに先立ち、2012年9月に新たな「生物多様性国家戦略2012-2020」を策定している。新国家戦略は、2050年までに自然と共生する世界にするという、愛知目標を実現するための具体的なロードマップを示したものだ。

UNDB-Jでは、多様性の10年をはじめとする生物の多様性について多くの国民に知ってもらうため、連携事業の認定や、キャラクター応援団による広報活動に力を入れている。また、各地でセミナーやワークショップなどを行っている。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。