サイバーエージェントが運営する縦読み漫画スタジオ「STUDIO ZOON」から、新作縦読み漫画「ヒトグイ」が8月16日より連載開始。本作は、累計500万部超の人気漫画「食糧人類」コンビの最新作!無差別大量殺人の末、食人に及んだ凶悪犯・嶋田。その護送を命じられ緊迫感を募らせる警察官・南雲だったが、多数の犯罪者たちを乗せた護送車の中で幕を開けたのは、想像を絶した恐怖の始まりだった――。
新感覚の体感型サバイバルホラー漫画について、作画を担当するイナベさんにインタビューを行い、縦読み漫画のポイント、恐怖感を強調するためのテクニックなど「ヒトグイ」の舞台裏を聞いた。
■回が進めば進むほど苦労しています(汗)
――「ヒトグイ」のビジュアル面で最も力を入れた部分はどこですか?
【イナベ】没入感が少しでも増すように奥行きが出るよう、構図を意識しています。
―― 凶悪犯・嶋田や南雲のキャラクターデザインで、特に意識した表現は何ですか?
【イナベ】カラー原稿なので、塗りやすさを考えて主線をシンプルにすることを意識しています。
――サバイバルホラーというジャンルにおいて、恐怖感を強調するためにどのようなテクニックを使っていますか?
【イナベ】恐怖感の演出はカラー作家さんにお任せしているので特にありません。強いて言えば、横読み漫画の時は描き込んで恐怖感を表現していました。ただ自分的には、縦読み漫画では書き込み過ぎるとカラーの画面が汚く見える気がするので、描きこみを減らしています。
――縦読み漫画として、コマ割りや視線誘導において工夫したポイントを教えてください。
【イナベ】蔵石先生のネームの完成度が素晴らしいので、それを損なわないように忠実に再現することを意識しています。
――読者に強い印象を与えたいシーンの描写において、特に苦労した点は何ですか?
【イナベ】私にとって縦読み漫画は、横読み漫画の見開きをずーーーーっと描いてる気分・作業量です。他の作家さんはわかりませんが、作業量が横漫画に比べて多いと感じています。回が進むにつれてより内容も濃くなっていっているので、回が進めば進むほど苦労しています(汗)。その分、回が増すごとに作画も面白さも上がっているので是非読んでください。
取材協力:蔵石ユウ(@kuraishi_yu)
「ヒトグイ」(C)蔵石ユウ/イナベカズ/野渡ひい/STUDIO ZOON