「触られてる?」子連れの父親に痴漢!さらには深夜に義父が布団に入ってきて…!?結婚しても「自分の子どもにスカートを履かせたくない」性被害に苦しむ自伝【著者に聞く】

  • 2024年3月13日
  • Walkerplus

小学校低学年で見知らぬ男性からお尻を触られたり、小学校高学年のときに義理の父親が布団に入ってきた…性被害のトラウマを抱えた漫画家・魚田コットン(@33kossan33)さんの「スカートの呪いが解けるまで」を紹介したい。結婚・出産を経て、一見性被害の呪縛から解放されたように見えるが、未だ性的な視線には敏感で「自分の子どもにはスカートを履かせたくない」と本書では綴られている。
※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。



■「スカートの呪い」は、幼少期から始まっていた

園児の頃から、スカートが苦手だった魚田コットンさん。お人形ごっこや女の子向けアニメごっこなどの「ごっこ遊び」もつまらなかった。小学生になって短パンを履いて登校すると、一部の女子から「魚田くん」とからかわれることもあった。祖母や母親がフリフリのワンピースやスカートを履かせて「かわいい女の子像」を求めてくるのも心の中では嫌だった。

■見知らぬ男性にお尻を触られた「痴漢被害」を誰も受け止めてくれない

魚田さんが低学年の頃、友達を連れて健康ランドに行ったとき。ゲームコーナーで遊んでいるところに、子連れの親子が現れた。「ゲームを見ていたい」とゲーム代金をくれた。2人でゲームをしていると、見知らぬおじさんは魚田さんの方に近づいてお尻を触ってきた。隣でゲームをしている友達もおじさんの子どもも気づかない。

魚田さんが母親に痴漢されたことを話すと、「ホントに触られてた?」「ちょっと触られただけやろ」とバカにした口調。この時「わざわざ言うことじゃなかった?」と、魚田さんは言った自分を恥じた。洋服の好みも受け入れてもらえず、痴漢被害もバカにされるなど、母親との関係性はこうして言い出しにくい環境が整っていく。

■母と再婚した義父が小5の深夜、突然布団に入ってきた…

極め付けは母親の再婚相手が深夜に布団に入ってきたことだ。この日のことは、一生忘れられないトラウマとなった。義父は母親のいない隙を狙って、何度も魚田さんに触ったり、近づいたりを繰り返す。

■「こんな重くてつらいだけの話、誰も楽しい気持ちにならない」それでも「被害者は悪くない」ということを伝えたい!
今回は、本作を描いたきっかけや本作を通して伝えたいことなど赤裸々な体験談について魚田コットンさん話を聞いた。

――実体験を赤裸々に描こうと決めたきっかけはありますか?

もともとブログでエッセイ漫画を描いていたのですが、いつか自分に起こったつらかったことを漫画にしたいなというのは当初からずっと考えていました。一番描きたかったものが、ブログにもある「母の再婚相手が色々とアウトだった話」で、ありがたいことにコチラも「母の再婚相手を殺したかった~性的虐待を受けた10年間の記録~」として書籍にしていただけたのがきっかけです。

ブログを描いている間にも、同じような経験をされた方からコメントやDMなどをいただけるのですが、現在私が結婚し子どもを育てているというのが、その方たちにとって希望になっている部分もあったようで、とても感謝されて逆に私の希望になったというのが「こういう漫画を描こう」と思った決め手でした。

ブログで描いているときは「こんな重くてつらいだけの話を描いて、誰も楽しい気持ちにならないのに…」と思いつつも、自分の中で抑えきれなくなった思いをぶつけて描いていたのですが、たまたま私が漫画を描けて世の中に発信できたけど、それができない人もたくさんいるんだな、それなら同じような思いをした人たちに「こういう思いしたことあるよね」「つらかったよね」「でもさ、自分たちは全然悪くないんだよ」ということを伝えるために描いています。ちょっとおこがましいかもしれませんが(笑)。

――読んでいて胸が苦しくなるような体験談です。描かれる際に苦労したこと、気をつけたことなどありますか?

今作「スカートの呪いが解けるまで」では、「できるだけたくさんの人に気軽に手に取っていただけるようにしたいな」と考えて描きました。なので、今までの作品よりも多くの人が敬遠しないようにマイルドな表現にしています。私の癖なのか、すぐに赤裸々すぎるほど赤裸々に描いてしまうのでそこはかなり抑えたと思います。あと今作は、当時の「心情」をメインに描いているので、当時、無意識に考えていたもの、思っていたものを思い出して、さらにそれを言語化するのにけっこう苦労しました。

――書籍化にあたり一番大変だったことはありますか?

ネーム作業がかなり大変でした(ネームとは漫画の話の筋立てや画面構成などを具体的に絵に起こしてみる作業です)。今までやってきたとおりのやり方だと俯瞰した描き方になってしまうようで、そこを主人公に共感できるように描くのがとても大変でした。

――性的な目で男性に見られることに嫌悪感を感じる主人公。本書にどのような思いを込められましたか?

私が今30代半ばなんですが、少し前まで「性的な目でみられる」=「女として終わってない」とか「女性として見られてよかったじゃん」みたいに言われていたと思います。でも実際、異性から不意に性的に見られるのはかなりのストレスなんですよね。今作では今まであった些細な「性的に見られた出来事」と「実際の性被害」とを両方含んでいて、それらすべてを「性被害」だと括っています。Xにて「鞄の斜め掛けが怖くなった話」を載せたときにも、たくさんの方から共感を得られました。わかりやすい性被害だけでなく「こんなことも本当は嫌だった」そういう目に合う子どもを減らしていきたいという思いを込めています。

――読者の方にメッセージをお願いします。

同じような体験をした方にも読んでもらいたいのはもちろんですが、知らない人や男女ともに読んでほしいと思っていますので、ぜひ書籍をお手に取っていただけるとうれしいです!よろしくお願いします。


魚田さんは「スカートを履きたい」と言う娘に対しても、「ダメ!」と強く言ってしまう。神経質だと思われてもいい。たとえ1人でも、子どもを性的な目で見る人がいる限り――。

取材協力:魚田コットン(@33kossan33)

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