
九州から東京のタワマンに引っ越してきたものの、そこは低層・中層・高層階で居住者のステータスが異なり、明確なヒエラルキーがあった…。同じマンションの住人と関わることでさまざまな問題にぶつかる渕上家の奮闘を描いた、グラハム子(@gura_hamuco)さんの漫画「タワマンに住んで後悔してる」が話題だ。今回は、グラハム子さん本人へインタビューを実施。本作に込めた思いや、制作を通して感じたことなどを聞いた。
■外側から見える「イメージ」と「内情」の違いは普遍的なテーマ?
本作は原作ベースの“セミフィクション”として描かれているが、グラハム子さんは「私は原作が出来上がってから、漫画を描き始めました。なので漫画担当兼、最初の読者という感じです。原作者の方とお話もしました。
私は東京に住んだことがないのですが、東京出身のママ友が何人かいて、その方たちにそれぞれお話を聞いたり。東京と地方って同じ日本なのに、結構価値観が違うんですよね。今回、新たな世界を知れました」と、都内で暮らす人たちの考え方を新鮮に感じた模様。そのあたりの違いは作品にも生かされているようだ。
本作の見どころについては、「タイトルを見ると一見、『自分とは縁遠い話…?』『セレブたちのドロドロ嫉妬劇…?』と思うかもしれませんが、本作の見どころはそこではないと思っています。本作に出てくる3家族それぞれの、外側から見えるイメージと内側の実情の違い。そして、他者からは外側しか見ることができないからこその心情や葛藤。それってタワマンじゃなくても、皆人生で一度は経験したことがあると思うんです。
例えば、学生の頃の目には見えない、学校内カーストに辛い思いをしたことがあるとか。職場や友達で、どうしても嫉妬してしまう人がいるとか。言えないけれども見下しているモノや事があるとか。そんな人間の複雑な心をわかりやすく表しているのがこのタワマンなのかもしれません。皆それぞれ必死に生きてるんだよね…!というのが見どころだと思っています」と、読者へメッセージを送った。
取材協力:グラハム子(@gura_hamuco)