ツンデレで墓穴を掘るかぐや姫がポンコツすぎる…!竹取物語のコメディ連作に「頼むから幸せになって」の声【作者に訊く】

  • 2023年6月24日
  • Walkerplus

月に帰ることになったかぐや姫。表向きは迎えが来る日を心待ちにしているけれど、本当は「引き留め待ち」のツンデレで……!?
西馬ごめゆき(@iwwaasii)さんが自身のTwitter上で公開している創作漫画「10日後に月に帰るかぐや姫」シリーズに、2.3万件超の「いいね」とともに、読者から「素直になれよ」「姫がんばれ」と反響が集まっている。

作者の西馬さんは、「少年ジャンプ+」にて読み切りを発表するほか、「野球部のマネージャーが僕だけに厳しい」などTwitterで公開した個人制作でも人気を博す漫画家。ウォーカープラスでは今回、原典である竹取物語のかぐや姫のイメージを覆す同シリーズの制作背景について西馬さんにインタビューした。

■本当は帰りたくないかぐや姫、ツンデレムーブが裏目続き…ポンコツ気味なカウントダウン連作
原典である「竹取物語」同様、まもなく月に戻らなければならないかぐや姫。だがこの作品では、悲しみに暮れるどころか、「汚い地上とお別れできると思ったらせーせーするわ!」とあざ笑うような女性だった。

が、そんな悪役令嬢のような態度は見かけだけ。世話係に「…なんか私に言い残したことないの?」と、明らかに自分の欲しい言葉を引き出そうと水を向けるなど、実は本音を素直に口にできないだけの、不器用なツンデレ姫だった。

自身の世話係に好意を寄せるかぐや姫は、彼が引き留めてくれるのを期待し、まもなく別れの時がくるのをことあるごとに強調する。けれど世話係は「良かったですねえ」「絶対手紙書きますから!」と、かぐや姫を素直に送り出そうとするばかり。本当は帰りたくないかぐや姫は、一向に引き留められずそのたび心が追い詰められてしまう――、という連作だ。

■「自然と自滅していくキャラクターに」読み切り企画から生まれたツンデレかぐや姫
「好き」や「帰りたくない」と素直に言えず、遠まわしで上からなアプローチで“引き留められ待ち”を続けるかぐや姫。その目論見がことごとく外れるかぐや姫のポンコツぶりに、読者からは「詰んだな」「どんどん墓穴掘る」「頼むから幸せになってくれ」と、応援とツッコミのコメントが寄せられている。

Twitterでの連載のほか、Amazonで無料公開されている電子書籍にも随時続きが収録される形で公開されている同作。6月24日現在の最新話は「1日後に月に帰るかぐや姫」で、完結を間近に控えている。今回はかぐや姫を題材に選んだきっかけや、作品の狙いについて、作者の西馬ごめゆきさんに話を訊いた。

――ツンデレ過ぎて墓穴を掘るかぐや姫が笑えてあわれなシリーズです。一般的なイメージとは正反対に思えるキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?

「『月に帰らないといけない』というもともとの設定に、かぐや姫の感情として『月に帰りたくない』『お世話係に引き留めてほしい』を用意してあげたら自然と自滅していくキャラクターになっていきました。ただ、自分は竹取物語のかぐや姫には深い哀愁のイメージがあったので、その部分はこの作品のかぐや姫にもうっすら残せてたらいいな……、と思っています」

――ちなみに、竹取物語のかぐや姫を題材に選んだのはどんなきっかけがあったのでしょうか?

「もともとは数年前、読切の企画作りで詰まった際に『童話とか昔話を題材に何か描けないかな』と無理やりアイデアを絞り出していて、その中で竹取物語は知名度が高い割にいじる余地が残っていそうだなと感じたのがきっかけです。結局、読切企画としてはうまくまとめきれずネームを放置していたのですが、Twitter漫画としてなら丁寧にまとめられるかもと思い、引っ張り出す形で今の作品を描き始めました」

――情けなく落ち込む表情、追い詰められたうろたえ顔、調子に乗っている時のテレテレなど、ころころ変わる表情が印象的です。ご自身でお気に入りの表情・カットを選ぶとしたらどれになりますか?

「気に入っている表情は選びきれないのですが、しいて言えば『10日後に月に帰るかぐや姫』として最初にツイートした4枚は全てお気に入りです。当初はどんな風に笑うか、どんな風に照れるかを探り探り描いていたのですが、なんだかんだでイメ―ジにバチッとはまった気がします」

――今回の作品で、これまでと違ったアプローチや、挑戦しているポイントがあれば教えてください。

「先日までTwitterでマネージャーがヒロインの話を公開していて、その作品と比べてのポイントになるのですが、『ヒロインの会話相手だった男のキャラクターを出す』のは前回と違ったアプローチに該当すると思います。これが良いか悪いかはわかりませんが、もちろん意図あっての登場なので、最終的に『男のキャラ出して良かったね』と感じてもらえるように頑張りたいです」

――本シリーズもいよいよかぐや姫が帰る刻限が迫り、クライマックスを迎えています。読者に向けてメッセージをお願いします。

「10日後に月に帰るかぐや姫の最終話、描きたかったシーンをちゃんと描けました。ぜひ、チラっとでも読んで頂けたらうれしいです」

取材協力:西馬ごめゆき(@iwwaasii)

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