
SFの世界で「人工冬眠」と呼ばれる「コールドスリープ」は、人体を低温状態に保つ装置のこと。延命措置や臓器保存の手段として、研究が進んでいる分野でもある。現代の文化を未来に伝えるプロジェクトを立ち上げ、100年後に目醒めるカプセルに搭乗した調査員を描いたギャグ漫画家くさかべゆうへい(@bakasakuiheuyu)さんがTwitterで投稿した「不眠のあなたへ」に1.6万いいねがついている。
■現代の文化を未来に伝えるため100年後まで冬眠する一大プロジェクト!!
現代の文化を100年後の未来に伝えようと、ある研究員が「コールドスリープ」に搭乗することになった。このカプセルは、人体を急速冷凍し、老化することなく未来まで眠ってしまえる装置だ。調査員は精悍な顔つきでカプセルに乗り込んだ。
1時間で冷凍睡眠状態に入れる画期的な装置のはずが、興奮してしまった調査員は眠れないでいた。寒くて体はどんどん冷たくなっていくのに眠れない。無駄なエネルギーを消費したせいで、お腹まで空いてきてしまう。カプセルの中で1人、100年後の未来を待ち続ける調査員の心の声ーー。そして、現代に残った調査員たちは?本作を描いたくさかべゆうへいさんに詳しい話を伺った。
ーー本作は、どのようなきっかけで制作されましたか?
少年サンデー増刊の少年サンデーS(スーパー)という雑誌で、毎月テーマに合わせて8ページの読み切りを描く企画がありました。この読み切りが載った回が「100年後」というテーマだったので、そこから連想して「未来に行く話かと思ったら全然行けてない話」にしようと思って描きました。
ーー少年サンデー(小学館)で連載中の「白山さんと三田さん」とはまた違うタッチだなと思ったのですが、少し意識されていますか?
「白山と三田さん」の連載を始めるときに、初めて意識的に絵柄などを変えました。連載前の読み切りということもあって、この方が僕本来の作風なのかなと思います。ツッコミが不在のギャグというところは今も変わらないですね。
ーー短編ということもあり、おもしろさがギュッ!!と詰まった印象でした。本作でこだわったポイントはありますか?
8ページしかないので、とにかくインパクトを残すことを意識してキャラクターのリアクションを描きました。冷静なキャラが徐々にパニックになっていく感じもおもしろいな、と思って意識して描きました。
ーー読者の方へのメッセージなどがあればお願いいたします。
過去に描いた読み切りをTwitterで公開しているので、この記事やそこから僕を知ってくださった方は、今連載している「白山と三田さん」をぜひ読んでもらえるとうれしいです。コミックスは6巻まで出ています。
■トイレって我慢し過ぎるとこうなるよね…しんどさまで共感できる!!悶絶の表情をご堪能あれ!
また、くさかべさんといえば、同級生の体操服がなくなってしまったことで帰れなくなってしまった「僕の一番長い日」や、生徒にナメられた先生が闘う短編作品「小雪先生」などをウォーカープラスで配信。「学校」というコミュニティの中で起こる、あるあるな出来事をギャグ漫画に落とし込んだ作品も人気を集めている。
取材協力:くさかべゆうへい(@bakasakuiheuyu)