
「これが叙述トリックか!?」と読者を唸らせたバニラ芭蕉(@vananatamago)さんの『服装の癖が強い人たちの漫画』を紹介する。叙述トリックとは、一部の描写をわざと伏せたり、曖昧にすることで作者が読者に対して仕掛けるミスリードのトリック。今回の作品はこの叙述トリックを使った「まさか!」「やられた!」と思わせる見事なギャグ漫画である。登場人物たちは、ひと癖もふた癖もある個性的な面々で作風もクセがすごいので心して読んで欲しい。
さらにバニラ芭蕉さんといえば、今までも巧みな会話のトリックで結末の大どんでん返しを狙った『秘密を知られた女子高生』や「昨日死んだ女の子の話」など、読者を大きく裏切る作品を多数創作している。一度ハマると癖になるファン急増中のバニラ芭蕉ワールドをご堪能あれ。
■いくら校則に違反してないからって
物語の始まりは、登校中の幼馴染みの会話。「そんな寒そうな格好で歩かないでくれ」と嗜めているが、コマ割りでは彼女はスカートの下にタイツを履いている。まず、ここで読者に「どういう意味だろう?」と思わせる1コマがある。
「お前、そういう格好その歳でかっこうしてたらやばいぞ」とさらに追い討ちをかける彼。一体、どんな格好をしているんだ!?と、思わせる展開が続く。ここで注意して欲しいのは、主人公たちが通う高校は、通学時の服装は自由ということが前提だ。
彼女が着こなしていたのは、背中が開いたバックオープンの制服だった!!こんな大胆な格好、筆者はアニメおぼっちゃまくんの登場人物“びんぼっちゃまくん“しか知らない(元上流階級で落ちぶれてしまったため、前だけ高級スーツ姿なのだ)。幼馴染みが、格好を嗜めていたのにも納得する。
しかし、彼女は「最初は怖くてもチャレンジすればなんだって楽しめるようになるから」と、ずいぶん気楽な発言を繰り返している。なぜ、彼女は幼馴染みの苦言に悪びれもしないのだろう?ここで注目して欲しいのは、2コマに割られた制服のタイツ姿だ。実は、これも大きな伏線を担っている。
奇抜な“制服アレンジ“を注意する幼馴染みに終始、冷静な対応を続ける彼女。その真意もラストにすべて回収される。読者コメントでは「インパクト強すぎ!」「えっ?どういう意味?」「頭が一瞬追いつかない」という慌てっぷりが伝わってくる。セオリーを覆す展開に「もう一度読み返してみた」という読者も多数。多くの人がイメージする“制服アレンジ“を大きく裏切る上塗り展開に、あなたの脳は耐えられるだろうか?
画像提供:バニラ芭蕉(@vananatamago)