「大熊氏廣」展、会期延長へ 明治を中心に活躍した日本近代彫刻の先駆け

  • 2025年5月14日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 川口市立文化財センター「郷土資料館」(川口市鳩ヶ谷本町2)で開催中の企画展「大熊☆氏廣」の6月1日までの会期延長が決まった。当初は5月11日までの開催を予定していたが、来年の「川口市立美術館」竣工もあり、地元ゆかりの芸術家を見直す機運を高めたいと延長が決まった。(川口経済新聞)

 八幡木出身の彫刻家、大熊氏廣を知る企画展

 大熊氏廣は川口市八幡木の裕福な農家に生まれ、日本初の国立美術学校「工部美術学校」(現在の東京大学工学部)の第1期生として入学。油土・石こうなどを使う西洋彫刻の技術を日本で初めて習得した人物。御雇外国人のヴィンツェンツォ・ラグーザに師事し、彫刻科を首席で卒業した後、フランス、イタリアに学んだ。

 帰国後、その卓越した技術と写実主義の作風が重用され、明治の偉人や皇族はじめ、記念碑や肖像彫刻を生涯で100点以上制作したが、第二次世界大戦の戦災による焼失や金属供出の影響で多くの作品が失われた。戦後は軍人の像などを忌避する空気があり、あまり注目されてこなかった。

 今回の展示は「入門編」で、1936(昭和11)年に制作された『大熊氏廣作品集』を原本とするパネル展示がメイン。学芸員の出野雄也さんは「川口市合併前の鳩ヶ谷では、学校で大熊のことを習っていた。これを機に、歴史に名を刻んだ郷土の偉人を多くの人に知ってもらえれば」と話す。

 開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌平日が休館)。入館料は、一般=100円、小中学生=50円。

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