前記事にて骨盤の構造と役割、骨盤底筋群のはたらきについてご紹介いたしましたが、今回は、骨盤底筋群のコントロールがなぜ必要なのか。それができるようになると、身体にどのような影響が起こるのかについて考えていきましょう。
骨盤を支える骨盤底筋群、それは、肛門括約筋・膀胱括約筋・女性であれば膣の括約筋など、尿道や膣、肛門を締めたりゆるめたりする働き、また骨盤内にある臓器を下からハンモック状に支える働きをしています。出産や加齢により、骨盤底筋群のはたらきが衰えると、尿漏れや膣のゆるみ、場合によっては子宮下垂・子宮脱などの症状を招くとも言われています。産後、尿漏れに悩む女性が多いのも、その原因は出産により骨盤底筋群が切れたり、ゆるんだりすることであると考えられています。
それでは、骨盤を支えるとても重要な筋肉「骨盤底筋群」のコントロールの練習法をご紹介いたします。その1つ目「骨盤底筋群をひきしめる・ゆるめる」は、日常的に頻繁に意識することが効果をもたらします。家事の合間やオフィスで、または日常のちょっとした時間を見つけて一日に何度も練習していただきたいと思います。仰向けに寝て膝を立てた状態、椅子に腰かけた状態、または立っている時にも行えます。いろいろな態勢で練習することもより効果をもたらしますので、お試しください。
ヒザを立てて体育座りの状態 【骨盤底筋群を引き締める・ゆるめるのセルフコントロール】
骨盤底筋群を意識して行うロールダウン・ロールアップ 【骨盤底筋群を意識して行うロールダウン・ロールアップ】
※注意点
腹筋を使わないで行うよう練習しましょう。腹筋を使うと、お腹の表面に縦に筋肉が隆起します。この練習は数多くできるか、または素早くできるかは重要ではありません。どれだけ内側の筋肉(インナーマッスル)を意識して行うことができるかが大切です。