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(Boulder)vol.19 アメリカで愛される…甘味料事情

  • 2013年7月12日

アガベ畑(写真提供:鉄平オーガニクス)
アガベ畑(写真提供:鉄平オーガニクス)
 4年前、娘を妊娠したのをきっかけに当時ボールダーで大流行していたアガベシロップ(竜舌蘭から採れるシロップ)を食卓の砂糖の代用品として使い始めた。コーヒーに入れる砂糖の代わりに使い始め、今では我が家から白い砂糖は完全に姿を消し、アガベシロップを全ての料理に使っている。自然の甘味料で健康に良さそうだという理由だけでなく、まだ幼い娘の味覚を化学薬品にまみれた人工的な甘さから守ってやりたいという気持ちからだった。
 なぜ我が家が砂糖を捨てアガベ党になったのか、そして今日、トマトケチャップのような調味料から朝食用のトーストパンに至るまで、日常口にするありとあらゆる食品に砂糖、とりわけ廉価な甘味料である高フルクトース・コーンシロップ High Fructose Corn Syrup (以下、HFCS)が使われている実態を考察してみたい。


砂糖の過剰摂取がもたらす影響

1977 年、米国の食事目標(通称マクガバンレポート)策定の様子、脂質の過剰摂取に警鐘を鳴らした
photo by www.cbsnews.com
1977 年、米国の食事目標(通称マクガバンレポート)策定の様子、脂質の過剰摂取に警鐘を鳴らした photo by www.cbsnews.com

あらゆる食品に使用されている高フルクトース・コーンシロップ High Fructose Corn Syrup
あらゆる食品に使用されている高フルクトース・コーンシロップ High Fructose Corn Syrup

 1970年代からアメリカ人は「心臓病のリスクを減らすためには脂質の多い食品の摂取を減らすべきだ」と教えられてきた。市場では低脂肪の食品がもてはやされ、低脂肪化に伴いスーパーの棚に並ぶ加工食品は薄味になっていった。しかし、アメリカ人は低脂肪であることと、しっかりとした味付けであることを同時に望み、食品メーカーはそれを実現しようと以前より多量の精製砂糖(一般に「スクロース」と呼ばれる砂糖)を食品に加えることにした。
 カルフォルニア大学の内分泌科医ロバート・ラスティグ博士のリサーチによると、 第二次世界大戦前の一般的なアメリカ人は1日に16グラムの砂糖を摂取していた。これは適量な果物を摂取した時に含まれる糖分に相当する量だった。
 そして1970年代に入るとこの量はおよそ2倍、37グラムにまで増えた。

 同じ頃、「廉価で加工が容易なコーンから作られた甘味料」としてHFCSが食品業界に紹介され脚光を浴びていた。 HFCSが登場して以来、ますます現代人の砂糖摂取量は増え続け、現在一般的なアメリカ人の1日の砂糖消費量は160グラムにまで増えていると推定される。これは年間で59キログラムに相当する量だ。
 近年、砂糖には深刻な依存性があることが指摘され「砂糖依存症」なる言葉すら耳にする。現代アメリカ人は健康のために脂肪の摂取を諦めたにも関わらず心臓疾患を患う人口の増加は留まるところを知らない。ラスティグ博士は砂糖の過剰摂取が脂肪の過剰摂取と同じくらい肥満や心臓疾患に直接影響をもたらすという真実をアメリカ社会、とりわけ若年層に伝えるべく啓蒙活動を続けている。

 

ジャムにもHigh Fructose Corn Syrup が使用されている
ジャムにもHigh Fructose Corn Syrup が使用されている

 カリフォルニア大学で行われた最近の研究で、HFCSを摂取している人はLDLコレステロール値が上昇することがわかった。この研修が示すのは、甘いものを過剰摂取した場合、肝臓がスクロースの副産物である果糖で容量オーバーになり、脂肪へ転換させてしまうという現象だ。
 これら果糖から転換した脂肪は血管中に堆積し、 超悪玉小型コレステロール「small dense LDL」になる。これらの粒子は血管中に留まり、垢のように堆積し、心臓発作を引き起こす。市販の炭酸飲料(350ミリリットル缶には砂糖39グラム)を数本飲むのは脂肪たっぷりのチーズバーガーを1つ食べるのと同じくらい体に悪いという。


 

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